2008年03月31日

「裏庭」梨木香歩

第1回児童文学ファンタジー大賞受賞。

おじいちゃんが話してくれた、近所のバーンズ屋敷に伝わる裏庭とは…。弟をなくした少女の魂の孤独な冒険。ナイーブながらも弾力ある心の在り様を描く、重層的ファンタジー。

話は現実世界のバーンズ家にまつわる人と照美の話と、テルミィの冒険の話に分かれています。
テルミィが冒険をしながら、どんどん成長していき、強くなっていく姿が良いです。
生きるとは。信じるとは。善と悪とは。
人生における重要なことをテルミィは学んでいき、大きな事をなしえます。
登場人物が現実世界と冒険の世界でリンクしていて、それぞれがとても重要な役割をしているのが印象的。
ファンタジーなので、今の超現実的な頭と精神をしている私には、世界に入り込むのに苦労しましたが、気分が乗っていればもっと楽しめたのかも。
それでも★は8/10。

裏庭 (新潮文庫)
裏庭 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2000/12
  • 売上ランキング: 3700
  • おすすめ度 4.0

★8/10


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2008年03月30日

「モルヒネ」安達千夏

本屋で結構売り出していたので気になっていました。
やっと読んだのに、イマイチ乗り切れなかったです・・・。

在宅医療の医師・藤原真紀の前に、元恋人の倉橋克秀が七年ぶりに現われた。ピアニストとして海外留学するため姿を消した彼がなぜ?真紀には婚約者がいたが、かつて心の傷を唯ひとり共有できた克秀の出現に、心を惑わせる。やがて、克秀は余命三ヶ月の末期癌であることが発覚。悪化する病状に、真紀は彼の部屋を訪れた…。

「ピアニスト」というのに惹かれたというのも事実です。
やっぱり音楽関係の職業の話だと気になるので。
でもなぁ。話の設定が設定だからしょうがないけれど、先が想像ができてしまう。
運命といえるほどの人がふと現れて、余命少しで、ほっておけなくて・・・。
感動まで至りませんでした。

モルヒネ (祥伝社文庫)
モルヒネ (祥伝社文庫)
  • 発売元: 祥伝社
  • 価格: ¥ 570
  • 発売日: 2006/07
  • 売上ランキング: 112212
  • おすすめ度 2.5

★5/10
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2008年03月19日

「将棋の子」大崎善生

第23回講談社ノンフィクション賞受賞。

私は将棋をやったことがありません。それでも問題なく読めました。
将棋が好きな方には、この感動が更に強いものとなるでしょう。
ノンフィクションでここまでのめり込んで読んだのは久しぶりです。

奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る”トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。

成田英二との出会いから再会までを書く中で、奨励会を退会していく数人の棋士が書かれています。
「今までの人生で将棋しかしてこなかった」という状況は、私の「音楽しかしてこなかった」というのと非常に似ていると思います。
それ以外では、スキルも経験も無い、ただの人。他ではつぶしが利かないという状況で、どうしても辞めなければならなかったり、辞めさせられたり。その後どんな困難が待ち受けているのか、想像を絶する世の中が待っている。
でも、どんなに辛くても、悲しくても、寂しくても、自分の中には自分が必死に追いかけていたモノがあるならば、乗り越えられるのではないだろうか。

将棋の子 (講談社文庫)
将棋の子 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2003/05
  • 売上ランキング: 99228
  • おすすめ度 4.5

★9/10
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2008年03月15日

今年も花粉症。

もうこれからの一生、付き合っていくしかないのでしょうか。
特効薬、求む。

病院で処方してもらった結構強めの薬を飲んでも、3分に一度は鼻をかんでいます。
おかげで、鼻の下はカピカピ、鼻の中もジンジン、マスクは必需品だし、ゴミ箱はすぐ一杯になるし、ティッシュの消費量もかなりのものです。
頭はボーっとしてくるし、鼻声で何言ってるかも伝わらない。
辛すぎます。
何かの罰ゲームかと思うくらい。

私の場合、1月末から始まっていて、5月ゴールデンウィーク辺りまで。
これからも、毎年か・・・。
・・・・・・・・・。

去年の記事。花粉症オススメサイトとマスクについて
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2008年03月14日

「トワイライト」重松清

小学生の卒業記念に学校の校庭に埋めたタイムカプセルを開封することになった。
26年ぶりに母校で再会した同級生は、昔の胸いっぱいの希望や夢を懐かしむ。

タイムカプセルは一度やってみたかったのに、埋める機会はありませんでした。
楽しそうだなと漠然と思っていただけなのですが。
20世紀の子供の私が想像する21世紀って、やっぱり空中にチューブが張り巡らされて、その中を車が走っているようなイメージでした。
そんな風になるのは、まだ先の話なのですかね。
39歳になった同級生が集まり、昔のイメージや希望や夢を目の前にして、現実の厳しさをかみ締めてしまうのは、実際にタイムカプセルを埋めて開封した人なら私とは少し違う感想を持つかもしれません。
ただ、いつもの通り、重松さんの作品なので、胸が締め付けられます。
現実に引き戻される瞬間は、なんだか悲しくむなしい。
それでも精一杯生きていくしかないのだ。

トワイライト (文春文庫)
トワイライト (文春文庫)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2005/12
  • 売上ランキング: 133723
  • おすすめ度 4.0

★7/10
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2008年03月08日

「床下仙人」原宏一

注目の異才が現代ニッポンを風刺とユーモアを交えて看破する、“とんでも新奇想”小説

初版後、絶版間近だったというこの本。
本屋のPOPで人気沸騰したという。
面白いのに、なかなか世間に知れ渡らない本もあるのですね。

くだらないと言ってしまえばそれまでだけど、結構奥深いところもありました。
それぞれの話に社会風刺がおりこまれ、家族の大切さを再確認させられます。
仕事に夢中で家庭の本当の意味を忘れそうな人、自分が会社のために身を削っていると思う人、何を目的にすればよいか分からなくなった人、それぞれ生き方を見つけていける。
そんなバカな!という出来事をつっこみつつ、読み終わりの気分は良いです。

目次
床下仙人 / てんぷら社員 / 戦争管理組合
派遣社長 / シューシャイン・ギャング

床下仙人
床下仙人
  • 発売元: 祥伝社
  • 発売日: 1999/09
  • 売上ランキング: 510725
  • おすすめ度 5.0

★8/10
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posted by このみ。 at 21:41 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年03月05日

「エコノミカル・パレス」角田光代

生き迷う世代を描いて“今”のリアルを映す角田光代の最高傑作。

うーん。最高傑作なのかなぁ。
今時の、どこか投げやりで、軽い気持ちでいる若者の気持ち。
34歳でフリーター。同居の恋人は失業中。海外に放浪のたびに出かけたこともあったけれど、帰国してからはお金も無くなり借金もするし、恋人は仕事しないし、友達は押しかけるし。
身近にありそうな設定の話だけれど、読んでいてむなしくなってしまいました。
もう少し、真剣に生きたほうが良いのじゃないのかな?って。
これが今時の生き方なのかな。
そんなことは無いはずだけど。

エコノミカル・パレス
エコノミカル・パレス
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2002/10
  • 売上ランキング: 506573
  • おすすめ度 2.0

★5/10
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posted by このみ。 at 00:35 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

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