2008年04月28日

「聖の青春」大崎善生

第13回新潮学芸賞受賞。

「将棋の子」の前作ですが、私はこっちを後に読みました。
途中に出てくる一つの出来事が、どちらの本にも出てきます。
でも、将棋をしたことが無い私のとっかかりやすさを考えると、こちらを後に読んで正解かも。
重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。

良かったです。
とにかくそのひと言。
難病にも負けず、将棋一筋で名人を目指し、自分の出来る事をやりぬく村山聖という人物を知ることが出来て良かった。
とても感動しました。また読みたいです。出来たら将棋の事を少しかじってから・・・。

天才・怪童など言われていますが、子供の頃から並外れた集中力を持っているけれどそれ以上に物凄い努力をしています。
ネフローゼという難病と戦いながら、最後まで将棋に向かっていました。
途中、将棋の一手などの部分が分からず、これが分かれば更に村山聖がどれほど凄い人なのかが分かるかと思うと、私も将棋が出来ればよかったと残念です。
最後にも棋譜が載っているので、それを理解できると更に面白いと思います。

聖(さとし)の青春 (講談社文庫)
聖(さとし)の青春 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2002/05
  • 売上ランキング: 14130
  • おすすめ度 5.0

★9/10
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2008年04月27日

「愛妻日記」重松清

R-18指定の重松清。奥様には隠れて読んでほしいのです。夫のゆがんだ情欲を描く、初の性愛小説集。
「匿名で官能小説を」という「小説現代」編集部の注文を承けて、表題作を書いた。最初は一度かぎりの企画物のつもりだったが、ハマった。2作目以降は、志願して短編を書き継いでいった。全6編。いずれも、夫婦の物語。官能小説。妻に対する夫のゆがんだ――でも、だからこそまっとうでありうるはずの情欲を描いた。小説の書き手として、これらの物語を僕は欲していたのだろう。今後も夫婦や家族の物語を書きつづけたいから、性から逃げたくなかった、のかもしれない。 重松清

うーん。なんとも感想の書きにくい本です。
普通の夫婦、もしくは性に対して淡白な夫婦が、夫の心の中に隠れていた歪んだ情欲によっていつもと違うセックスをする。
男の目線で、しかも歪んでいるということで、どうも納得のいかない描写もありました。
やっぱり男性は女性を蔑み、征服したいのでしょうか。

目次
ホワイトルーム / 童心 / 愛妻日記
煙が目にしみる / 饗宴 / ソースの小壜

愛妻日記
愛妻日記
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2003/12/13
  • 売上ランキング: 287379
  • おすすめ度 3.5

★6/10
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2008年04月13日

ハプニング×4、そして。

4月10日、JRの国分寺駅の変電所にて火災が発生し、電車が止まりました。
asahi.com内ニュース
「50万人に影響があった」とあるけれど、私はそのうちの一人。
あれ、これは「延べ」なのかしら?だったら二人。
丁度、止まった瞬間に国分寺駅にいたのです。

向かいのホームの電車が走り出したと思ったら、急停車。人の大きな叫び声が聞こえて来たと思っているうちに、向かいの電車の電気が消えて真っ暗に!
ひゃぁぁ、何が起きてるの?
そのうち、私が乗っている電車も停電。もちろん非常灯が点きましたけど。
しばらくしてアナウンスで「この電車は30分後に・・・」
ふむふむ、30分後に?復活するの?30分もかかるの?
「ドアを閉め、完全に停止します」
えぇぇぇぇ??どういうこと?
そのアナウンスでピンと来なかったけれど、とりあえず車外へ出て改札へ向かってみようとすると・・・
なんと自動改札機が開かない!
電車やホームに居る人はどんどん集まってくるのに、出口が開かないなんて。
しばらくして出られるようになったけれど、今日は大事な仕事。どうしよう。タクシーには長蛇の列だし、バスは行きたいところに走ってないし。他線でまわるにも上手い具合に行けないし。
30分くらい仕事先やら関係者やらと連絡を取りながらウロウロして、どうにもならないので歩くことにしてみました。大通りに出ればタクシーがいるかな?と、甘い考えで。もちろんタクシーは居ないし、そのうち通行止めになってしまいました。
もう、こうなったら!とやけになりつつ、仕事先には無事到着。歩いた総時間は2時間。
大変だったけれど、足止め50万人。私だけが大変だったわけではない。線路歩いた人も沢山いた。
JR国分寺.jpg
ハプニングその1。


その日の夜は久しぶりに会う子を囲んで、久しぶりの飲み会。仕事も何とか無事に終わったし、今日は飲んじゃうよー!
その子も元気そうだったし、気の会う仲間と飲むのも楽しかったです。
あっという間に時間が経ち、終電にて帰宅。
のつもりでしたが、またしても電車が遅延。
乗り継いで帰る私は、JRが遅れていた為に接続電車に乗れず。
ハプニングその2。


しょうがない、タクシーか。
しかし、タクシーに乗るにも長蛇の列。さっきほどじゃないから、我慢だわ。
ようやく乗って、ウチの近くまで。
そしたら、住宅街の細い道を車が占拠していて、タクシーが通れない!迂回しようとしても、そっちにも車が居るので、そこで降りて歩くことに。もう近くだから、しょうがない・・・な。
ハプニングその3。


次の日、起き上がって歩こうとしたら、何かが変!足が曲がらない!
そういえば、昨日なんだか足の付け根が痛かった。
それでも仕事は休めないから、ストッキングを履くのに10分くらいかかりつつ仕事へ。
悲鳴を上げたくなる激痛に耐えながら、仕事を終えて、就寝。
次の日も同じ様に痛い。歩けない。歩くのも1歩ずつ、階段も1歩ずつ。座る動作にも一苦労だし、お手洗いが和式だったら泣きそうになります。これじゃ、普通に生活できないよ・・・。
ハプニングその4。


ということで、急遽整体へ。
どうやら「坐骨神経痛」になってしまったらしいです。
しかも、けっこう重症だと言われました。
あの日、2時間をかかとの高い靴で歩き、雨が降っていて冷えたのが原因ではないかと。
かなり痛かったけれど、グリグリゴリゴリされて、驚くほど普通に歩けるようになりました!
まだ完璧には治っていないけれど、どうにか動ける。あぁ、普通に動けるってこんなに幸せな事だったのね。

なんだかツラツラ書いてしまって、読み返してみるとひどい文章だけれども、どうせ愚痴だし、このままにしておきます(笑)
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posted by このみ。 at 17:20 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記| edit

2008年04月12日

「螺鈿迷宮」海堂尊

チーム・バチスタの栄光」、「ナイチンゲールの沈黙」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」シリーズ。
私はこの順番で読んで正解だと思っていますが、「ジェネラル〜」の前作にあたる第3作目だったようです。
この話はいつもの東城大学医学部付属病院や田口先生は脇役で、敵対する碧翠院桜宮病院の話。
そして「ジェネラル〜」でチラリと出てきた姫宮やいつもの白鳥が主に出てきます。

東城大学に医学生として通う天馬が碧翠院桜宮病院に潜入しスパイをすることになったところから、天馬の悲劇が始まる。
天馬大吉という物凄くラッキーな名前に反して、アンラッキーなことばかり起こるが、はたして本当にアンラッキーなのか、というのが面白い。
姫宮のキャラが素敵すぎ。こういうの、大好きです。
作者が医師なので、現在の医療問題について、世の中に提示しています。
一番伝わってくるのがエー・アイ(オートプシー・イメージングの頭文字、Aiのこと。訳語は死亡時画像病理診断、または画像解剖)について。
お役所はこのシリーズを読んだほうが良いと思う。
そしてこの重要性を、改革する手間と費用との天秤にかけて協議して欲しいと思う。

螺鈿迷宮
螺鈿迷宮
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/11/30
  • 売上ランキング: 10279
  • おすすめ度 3.5

★9/10
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posted by このみ。 at 23:50 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年04月06日

「神様がくれた指」佐藤多佳子

スリで生計を立てているマッキーこと辻牧夫と、タロット占い師のマルチェラこと昼間薫。

スリの話というところで、あまり良い感じがしないのですが、話の内容は面白かったです。
指を商売道具としているところは、楽器演奏者と同じなんだなと、全うな人間としての道徳心からかけ離れた事を考えながら読んでしまいました。

一匹狼として動くプロのスリであるマッキーは、刑務所から出たその日に、あろう事かスリにあってしまう。
犯人を捕まえるのが最大の目的となったマッキーは、占い師のマルチェラと出会い、マルチェラの家に居候することになる。
お互い居心地の良い同居相手となるのだが、そこに珍客が・・・。

登場人物のキャラは掴みやすくて、好感も持てます。
ただ、話を読み進めると、主人公の気持ちを応援したくなるのが普通ですが、どうも「プロのスリ」という状況を考えると、自分の心の中で葛藤してしまい、★は7/10。

神様がくれた指 (新潮文庫)
神様がくれた指 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 860
  • 発売日: 2004/08
  • 売上ランキング: 25865
  • おすすめ度 4.0

★7/10
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posted by このみ。 at 01:40 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

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