第132回直木賞受賞。
今まで角田光代の本は16冊読んでいる。なのに、この本に手を出していなかったのはなんでだろう。少し勿体無いような気分でとっておいたけど、そのこと自体が勿体無かった気もします。
角田さんの本は読みやすくて読みすぎる。今まで読みすぎていて、慣れきってしまった独特の世界観が、この本でピッタリとはまりました。
あぁ、この人が今まで書いていた文章は、こうなっているのかと。
女性の友情って難しい。
少しの事で壊れるし、心の底から信じられる親友は数少ない。
高校生の頃は友達って簡単に出来たのに、大人になったら出来にくくなった。
本当に必要なのは「今」なのに。
三十代の専業主婦の小夜子、旅行会社社長の葵、葵の高校時代の同級生ナナコ。
小夜子の今と葵の高校時代の話が交互に出てくる。
小夜子は人付き合いが煩わしかったが、葵の会社で働き始めるとイキイキしてくる。
葵のサバサバとした性格。それは高校時代の友達ナナコからの影響だった。
女性の心理がここまで上手い具合に書かれているとは。
男性には少し分かりにくいかもしれません。
でも女性心理はこんな感じ。めんどくさい世界。それでも抜けられない。
人間関係って大人になるほど難しくなる。
立場の違う女性が友達になれるのだろうか。
ステキな終わり方も良かった。
★10/10
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posted by このみ。 at 01:42
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