2009年06月27日

「君たちに明日はない」垣根涼介

山本周五郎賞受賞。

この本の評価はかなり割れているようです。
私は面白いと思いますが、今までの垣根涼介の文章とは違うので、評価割れの原因はそのせいなのかな?

リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。そして明日は……? 笑って唸って泣かされる、恋と仕事の傑作エンタテインメント!

リストラする人を選出する仕事というだけで、気持ちがゲンナリしてしまうけれど、ちゃんとその人の事を調べて、会社にとって一番良いリストラをしていく。
会社に残りたい、今後の生活がかかっている、会社にしがみつく社員を冷たく対応する面接のシーンは笑い事ではないけれど、食い入るように読んでしまいました。
全5章で書かれていて、「旧友」と「去り行く者」が面白かったです。

君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))
君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2007/09/28
  • 売上ランキング: 47797
  • おすすめ度 3.5

★8/10
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2009年06月26日

「偶然の祝福」小川洋子

お手伝いのキリコさんは私のなくしものを取り戻す名人だった。それも息を荒らげず、恩着せがましくもなくすっと―。伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前ぶれもなく理由もなくきっぱりと―。リコーダー、万年筆、弟、伯母、そして恋人―失ったものへの愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。息子と犬のアポロと暮らす私の孤独な日々に。美しく、切なく運命のからくりが響き合う傑作連作小説。

連作短編集って良いですね。
短編だから読むのを中断しやすいのに、ちゃんと1冊分同じ世界で楽しめるところが好きです。
主人公が作家という設定だからか、小川洋子本人の話なのかなとも思いながら読みましたが、きっと違うんだろうな。
失うものを見届けていくのは辛いことだけれども、幸せも同時に運んできてくれたと思えば、少しだけ救われるのかもしれない。

目次
失踪者たちの王国 / 盗作 / キリコさんの失敗
エーデルワイス / 涙腺水晶結石症 / 時計工場 / 蘇生
偶然の祝福 (角川文庫)
偶然の祝福 (角川文庫)
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2004/01
  • 売上ランキング: 176801
  • おすすめ度 4.0

★8/10
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2009年06月17日

「一瞬の光」白石一文

白石一文のデビュー作。

頭も抜群に良くて東大にも楽々合格し、容姿も良くて常に周りには女性が寄ってくる超エリートサラリーマン。
そんな出来すぎ主人公が、38歳という異例の若さで人事課長に抜擢されて、政界の中枢とも付き合い日本を動かしていくような場所にいる。
社長の姪の瑠衣を紹介され、将来が約束されたような人生。
そこに会社の面接に来た短大生の香折と出会う。
精神的にかなりのダメージを受けている香折から目が離せなくなる。
裏切りや陰謀が渦巻く中、本当に必要なものは?

頭もいい、容姿もいい、お金もある、出世頭。
こんなに出来すぎの人は本当に居るのだろうか。
女性観が多少古風なところは好感が持てるけれど、私はこんな男性には興味が湧かない。
あ、私は関係ないか。
それでもどこか身構えて読んでしまいました。
そこにありえないほどの身内からの虐待を受けた幼少期がトラウマになっている香折。
そのエピソードが少しずつ明らかになればなるほど、少しずつ真実味が欠けてくるように感じてしまいました。
社長の姪の瑠衣もバリバリのキャリアウーマンで超美人。
出来すぎ。
それでも香折から目が離せないだなんて。
私には少しロマンが過ぎました。男性が読むと違う感想かもしれません。

一瞬の光 (角川文庫)
一瞬の光 (角川文庫)
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 780
  • 発売日: 2003/08
  • 売上ランキング: 29235
  • おすすめ度 4.0

★6/10
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2009年06月15日

「天使と悪魔」ダン・ブラウン / 訳 越前敏弥

「ダ・ヴィンチ・コード」のラングドン・シリーズ第一作。
この本、読んだのは昨年の秋頃。
感想を書いてアップする直前、大事に仕舞ってありました(笑)
映画化されて、今公開中ですね。
主人公は前作と同じくトム・ハンクスで、契約金が59億円だとか。どひゃー。
観て来ましたが、前作同様、本を読まないとあのスピードには付いていけない気がします・・・。そんなの私だけかもしれませんが。。。

内容(「BOOK」データベースより)
ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに大量反物質の生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持込まれていた―。

やっぱり私の生活時間が乱されました。
読み出したら止められない。
今回も事実を元に書かれているけれど、「ダ・ヴィンチ・コード」よりは作った感がありました。
もちろんフィクションなんだから、当たり前の事なんだけれども。
取り扱っているテーマが広く、難しい問題も含まれているのですが、とても分かりやすく書かれています。
スピード感もあり、壮大なスケールで圧倒されます。
全3巻、あっという間に読み終わりました。
うーん、ヴァチカンに行きたいっ!!

天使と悪魔 (上) (角川文庫)
天使と悪魔 (上) (角川文庫)越前 敏弥

角川書店 2006-06-08
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★9/10
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2009年06月14日

「エンジェル・エンジェル・エンジェル」梨木香歩

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは―なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす…。

現在と、おばあちゃんの若い日の物語が1章ごとに交代で進行します。
聖書が出てきたり、水槽の中で生死の争いもあり、途中少し重い雰囲気になりますが、最後は暖かい気持ちになります。
こんなに短い文章なのに、コウコの現在と祖母の娘時代の話が詰まっています。
少し経ったら再読しようっと。

エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)
エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 発売日: 2004/02
  • 売上ランキング: 77757
  • おすすめ度 4.5

★8/10
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2009年06月08日

「ハナシがちがう! - 笑酔亭梅寿謎解噺」田中啓文

内容(「BOOK」データベースより)
上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

落語の話は「しゃべれどもしゃべれども」以来です。
こういう本を読むと、落語って面白そうだなと思うし、ちゃんと観てみたいって思う。なかなか機会が無いのが残念。もう少し勉強してからじゃないと、ちゃんと楽しめない気もするし。
でも、ここで紹介されている話だったら内容も分かるし、どれも面白そうです。登場人物のキャラもみんなとっても魅力的で、どんどん読み進みました。
あぁ、面白かったー。

目次
たちきり線香 / らくだ / 時うどん / 平林
住吉駕籠 / 子は鎹 / 千両みかん

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)
ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 560
  • 発売日: 2006/08
  • 売上ランキング: 27815
  • おすすめ度 4.5

★10/10
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