2009年07月29日

「告白」町田康

第四十一回谷崎潤一郎賞受賞。

内容(「BOOK」データベースより)
人はなぜ人を殺すのか―。河内音頭のスタンダードナンバーにうたいつがれる、実際に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフに、永遠のテーマに迫る著者渾身の長編小説。

文庫で解説まで含めて850ページ!
辞書のように厚く、どうやって持っても手が疲れます。
そして、かなり好評なこの本。
大絶賛している方も多くいる中、残念ながら私はダメでした・・・。
私にはひらがなの河内弁を目で追うのに、非常に目が疲れてしまい、文章の意味を汲み取るのに、非常に頭も疲れました。
登場人物のキャラクターや、作者の言わんことは面白く感じましたが、それよりもだらだらと出来るだけ長くしている様に感じられる文章を消化するのに精一杯になってしまい、「読んでやるぞ」という意地で読みきった感じです。
他の人のように楽しめなくて残念だったな。

告白 (中公文庫)
告白 (中公文庫)
  • 発売元: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/02
  • 売上ランキング: 100387
  • おすすめ度 5.0

★5/10
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2009年07月20日

「間宮兄弟」江國香織

映画化されています。
「間宮兄弟」映画公式ページ

内容紹介
もてなくとも幸福に生きる兄弟の日常の物語
女性にふられると兄はビールを飲み、弟は新幹線を見に行く。そんな間宮兄弟は人生を楽しむ術を知っている。江國香織がもてない男性の日常を描いて話題になり、森田芳光監督の映画化も大ヒットした小説の待望の文庫化。

仲の良い兄弟ってこんな感じなのかな、というのが第一の感想。
ちょっと羨ましいです。
モテない二人でもちゃんと人生を楽しんでいる。
自分の趣味や好きなことで時間はつぶれるし、仕事だって一生懸命。
卑屈になっていない二人の性格も良い。
別にそれでも良いんじゃないの?と二人に声をかけてあげたくなるほど。

間宮兄弟 (小学館文庫)
間宮兄弟 (小学館文庫)
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2007/11/06
  • 売上ランキング: 39187
  • おすすめ度 4.0

★7/10
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2009年07月19日

「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞。

内容(「BOOK」データベースより)
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

賞を二つも取り、「究極の徹夜本」とまで書かれ、この題名にも惹かれ、期待しすぎちゃったみたいです。
「騙される」と評判のこの本。
私もまんまと騙されました。
騙されるのも、かなりくやしい騙され方で(笑)「そういうことなのね!(怒)」という感じ。
読了後に振り返ると、騙そう騙そうと書かれたような文章だったので、余計に悔しい。
先入観には勝てないけれど、話の内容も夢中で読めるほどのめり込めず・・・。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2007/05
  • 売上ランキング: 14307
  • おすすめ度 3.5

★6/10
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2009年07月16日

「夢のような幸福」三浦しをん

三浦しをんのエッセイ、大好きです。
小説とは驚くほどイメージが違うので、まるで別の人の様なつもりで読んでいます。
「妄想」が暴走する三浦さんの頭の中は、多分読んだままなのだろうな。
暗い気持ちになっている時には、最高のビタミン剤。

ところで、最近私がよく読んでいる女性の作家さんには漫画愛好家が多い気がします。
この本の中にも沢山の漫画の話が出てきますが、他の方のエッセイにも良く出てきます。
「小説」と「漫画」には大きな隔たりがあると思っていたけれど、全然そんなことは無いんだなと最近思い始め、私も少し読み始めました。
結果は・・・どっちも止まらないから、睡眠不足になるばかり(笑)

夢のような幸福 (新潮文庫)
夢のような幸福 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2008/02
  • 売上ランキング: 104044
  • おすすめ度 4.5

★8/10
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2009年07月08日

「真夜中のマーチ」奥田英朗

映画化されています。
内容(「BOOK」データベースより)
自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。

奥田英朗は登場人物のキャラ設定がすごい。
空中ブランコなどの伊良部シリーズからしておかしなことになっているけれど、今回も登場人物が出てきてすぐに、そのキャラクターが伝わってくる。
10億円という巨額を取り扱っているスリル感はイマイチありませんが、軽く読むには良いです。スピード感があり、さくさくと読みやすかったです。

真夜中のマーチ (集英社文庫)
真夜中のマーチ (集英社文庫)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 600
  • 発売日: 2006/11
  • 売上ランキング: 4299
  • おすすめ度 4.0

★8/10
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2009年07月07日

「果てしなき渇き」深町秋生

第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞。

私の好みからすると、どうも「このミス」は当たり外れがあります。
この本は内容がダークなのもありますが、ちょっとのめりこめませんでした。
元刑事・藤島秋弘のもとに、失踪した娘の加奈子を捜してほしいと、別れた妻から連絡があった。家族とよりを戻したいと願う藤島は一人、捜査に乗り出す。一方、三年前。中学生である瀬岡尚人は手酷いイジメにあっていた。自殺さえも考えていたところを藤島加奈子に救われる。彼は彼女に恋をし、以前、彼女がつきあっていた緒方のようになりたいと願うようになるが…。二つの物語が交錯し、探るほどに深くなる加奈子の謎、次第に浮き彫りになる藤島の心の闇。用意された驚愕の結末とは。

二つの話が交差しながら、娘を探す元刑事の父親がどんどん闇の世界へ入り込んでしまいます。
闇の世界がどれだけ「闇」なのか、というのが一番の印象で、読み終わりも暗い気持ちになってしまいます。
誰も救われず、暴行シーンも多く、どんどん深みにはまっていき、ドロドロです。
全選考委員が圧倒された暗き情念の衝撃作!!
とありますが、内容は確かにダークで衝撃ですが、どうなんだろう・・・。

果てしなき渇き (宝島社文庫 577)
果てしなき渇き (宝島社文庫 577)
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 780
  • 発売日: 2007/06
  • 売上ランキング: 17247
  • おすすめ度 3.5

★4/10
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2009年07月02日

「その日のまえに」重松清

映画化されています。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子。感動の重松ワールド

読む前から絶対に泣くんだろうなと思って覚悟をしていたけれど、やっぱり泣いてしまいました。号泣。涙が止まりませんでした。
7つの短編が、ラストで関連しています。

日常にある「死」が書かれています。
周りにいる人たちはそれぞれで、事情や状況も違うけれど、深く心に残るエピソード。

7つのうちのラスト3つの短編、「その日のまえに」「その日」「その日のあとに」は、やはり一番心に残ります。
愛する家族が末期ガンだと告知され「その日」に向けて準備をする。
準備をしている自分が許せないけれど、準備をするしかない。
重松清がいつもテーマにしている「家族」と「死」について、考えさせられます。

その日のまえに
その日のまえに
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2005/08/05
  • 売上ランキング: 48148
  • おすすめ度 4.5

★10/10

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posted by このみ。 at 23:52 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

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