主人公の育生は自分が捨て子だと思っている。
聞いてみても冗談にしてくれないし、母さんにへその緒を見せてといったら、ごそごそ出してきた箱の中には卵の殻が入っていた。
そんなばかな話があるのか?と思うが、なんともあっけらかんとしている母親の態度が気持ちが良い。こんな家庭環境だったらグレてしまいそうだけど、この母親だったらこの調子で良い子に育てるのだろうな。育生もとても良い子だからっていうのもあるけれど。
家族であるっていうことは、血のつながりとか関係ないのだ。
「誰よりもあなたが好き。それはそれはすごい勢いで、あなたを愛してるの。今までもこれからもずっと変わらずによ。ねぇ。他に何がいる?それで十分でしょ」
表題作のほかに「7's Blood」も収録。
こちらも凄い設定で、父親の愛人の子と一緒に住むところからはじまる。
新しい家族のカタチ。
とっても気持ちが良い読了感。
面白かったです。
- 卵の緒
- 発売元: マガジンハウス
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2002/11
- 売上ランキング: 25546
- おすすめ度
★9/10