末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。
この本が文庫で出始めた頃、どの本屋さんに行っても山のように平積みされていたのを覚えています。
それを見た私は何故だか天邪鬼になり、「今のこのブームには乗らないぞ」みたいな気持ちで素通りしていました。
今読み終わってみると、流行っていた理由も納得の面白さでした。
父が書いた手記には、息子の誘拐事件の詳細が書かれていた。
当時の被害者である息子は、父親と同じ会社に就職し、優秀な社員として働いている。
そんなとき、20年前の事件の身代金、当時の価値で5000万円分の金の延べ棒が発見される。
スピード感があり、とても読みやすかったです。
完全犯罪をしようとする犯人が、慎重に事件を進めていく様子がワクワクします。
今から20年前に発売されたので、コンピューター関係の内容に古さを感じますが、かえって今読んだから理解が出来る部分もあるかもしれません。
少なくとも、当時私がこれを読んでもチンプンカンプンだったかも。
- 99%の誘拐 (講談社文庫)
- 発売元: 講談社
- 価格: ¥ 730
- 発売日: 2004/06
- 売上ランキング: 176838
- おすすめ度
★9/10