2006年04月08日

「少年H」上・下 妹尾河童

毎日出版文化賞特別賞受賞。

話の内容を全く知らずに、ベストセラーだからという理由だけで読み始めました。
戦争に巻き込まれた少年時代を、強く生きた「少年H」の話です。

ほとんどの漢字にルビがふってあり、初めは読みにくかったのですが
途中からは全く気にならなくなりました。

どれだけ戦争という行為が、間違っているか。
人が人を傷つけるという事がどういうことなのか。
日本は、貴重な体験国であるという事。
戦争について書かれている本は、勿論同じようなことを考えさせられるし
忘れちゃいけない、語り継がなきゃいけない、と強く思う。

この本は、純粋な心と好奇心を持っている少年の視線で、当時の社会体制を鋭く見ているところが興味深く、一気に読みました。
今の日本の社会でも問題になっていたり、タブーとされている問題も、この当時からの視線で書かれていて、この本に対する意見も出ている様で「間違いだらけの少年H」という本もあるくらい。

信憑性がどうだの、右だの左だの言うつもりは無いけれど、純粋に読んでおいて良かったと思う本でした。
大人も新聞もウソつきや

少年H〈上巻〉少年H〈上巻〉
妹尾 河童

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本★7/10


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posted by このみ。 at 01:38 | 東京 ☁ | Comment(6) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit
この記事へのコメント
古本屋さんに行くと必ず手に取るの。
ずっと読みたいと思っているんだけど
内容と本の厚さに尻込みしちゃって(^^ゞ
文庫本もあるんだね。←知らなかった。
このみ。さんのエントリーを読んで読みたくなった。
いっちょ探してみようかな^^
Posted by ゆっき。 at 2006年04月08日 09:37
>ゆっき。さん
私も、上下巻とも分厚いから、読むのを躊躇してました(汗
勿論文庫でも分厚いです(笑)
古本屋さんでも出回っているはず。
昔流行って、ちょっと前から良く見かけますよ♪
私のオススメ度は10段階中7かな。
ゆっき。さんはどんなだったか教えてくださいね(*'ー'*)
Posted by このみ。 at 2006年04月09日 00:40
少年Hですか!
懐かしいですねーΣ(´〜`;)
おっと、今日は酔ってるtakeです。
(最近お酒は控えてるつもりなのですが、今日はちょっと仕事がきつかったモノで…)
演劇の世界では重鎮的な存在の妹尾河童。
やはり、演出をしているだけあって文章力は素晴らしいです。
もの凄く前に読んだので、話の内容は余り覚えてないですが、スラスラ読める反面結構考えさせられる内容だった気がします。
この前の「佐賀のがばいばあちゃん」よりちょっと前の設定ですが、貧乏な家庭と裕福な家庭の違いがあって(河童は裕福だったかな?)、比較するとちょっと面白いですね。
妹尾河童の本は読みやすくて面白い本が沢山あるのですが、『覗いた…』シリーズはお薦めです☆
意外な視点から見た話が面白く、是非読んで貰いたい作家の一人です。
おっと、酔ってるからコメントが長くなりました。
この辺で失礼しますε=( ̄。 ̄;)フゥ
Posted by take at 2006年04月09日 22:45
>takeさん
お疲れ様です。
最近お酒を控えているのですか?
それは大変だ!雨が降るわけだ。うんうん。
妹尾河童は演劇界で重鎮なんですか。
知りませんでした。
この本が初めてだったので、「覗いた・・・」シリーズも今度読んでみようかな。
本の虫になりそうです・・・。
Posted by このみ。 at 2006年04月10日 17:30
先生の住んでる町の話です。ぼろぼろになるほど読んだ。妹尾さんの自宅のあったあたりも、通ってた教会も車で10分ほどです。兵庫高校なんてチャリンコで5分ほどだ。
お話を読んでて景色の想像がつくと思い入れが違うね。
妹尾さんの本は殆ど持ってますよ。あの挿絵が絶妙やねー。
Posted by 熱ケツ先生 at 2006年04月11日 08:12
>先生
ひゃー。
そうだったんですか。
先生にとって、そんなに身近な場所だったんですね。
私も昔住んでいた所は、歌や小説の舞台になった事もあったので
その気持ち、凄く分かります。
妹尾さんの本、他にも読んでみたくなりました。
Posted by このみ。 at 2006年04月12日 13:50
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