2006年12月16日

「小さき者へ」重松清

「家族」「父親」を問う6編。
重松作品は重いし、読み終えての答えが出てこないし解決しない。
子供の気持ちを分かったふりをするのは良くない、だけどどうすればいいの?という感じ。
だけど、なぜか読んでしまう。
今回この事は「文庫版のためのあとがき」で重松自身が書いてあったので、「あ、やっぱりな」と思ってしまいました。

後悔しない人生なんて、どこにもないんだ。なにをやっても、ぜったいに後悔は湧いてくるんだ。
この文章、凄く胸に響きました。
あぁ、後悔は、して当たり前なんだ。
したくないからしないようにしても、してしまうのが人生なんだ。
少年時代の僕が思い浮かべる「もしも」は、ほとんどすべてが未来の話だった。(中略)いまは違う。未来に「もしも」の入り込む隙間はどんどん小さくなってしまい、代わりに過去を振り返ると「もしも」の分かれ道が無数にある。
まったく…その通りだ。
いつから「もしも」を過去への言葉にしてしまったんだろう。

傷つかない為に回避しようとしたり、傷ついてしまってどうにもならなくなったり、相手を思いやっているつもりでも上手くいかなかったり…
人の心は難しい。
なんとかして前向きに進もうと、ほんの少しの光が探せたら…

目次
海まで
フィッチのイッチ
小さき者へ
団旗はためくもとに
青あざのトナカイ
三月行進曲
小さき者へ
小さき者へ
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2006/06
  • 売上ランキング: 5112
  • おすすめ度 5.0


本★9/10
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posted by このみ。 at 00:09 | 東京 ☀ | Comment(3) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit
この記事へのコメント
こんばんは。
この本、私も読みました。
結構前に読んだのでうる覚えなのですが
小さき者へ、のタイトルどおり
目立たない普通の人たちのちょっとした成長物語だったですよね?
だから結末に嫌味がなくて、自分もがんばろうって希望が見えてきました。
重松さんらしい本だったと思います。
Posted by sonatine at 2006年12月16日 01:33
人って 悩みながら 少しづつ 変わっていくんですね(これを成長というのかなぁ)
私のプログに 今日のいいこと を綴ってる人がいました。小さいことにも幸せがある^^のかもしれないですね。読んでみようと思います
またきます
Posted by nao at 2006年12月18日 07:45
>sonatineさん
コメントレス、遅くなっちゃってごめんなさいm(_ _)m
そうそう、成長物語でした。
「だから、どうすれば良いのか教えてくれー!」
っていう突っ込みを入れたくなるのは、著者本人も言っているから置いておくとして、前向きな方向性を見せてくれていますね。

>naoさん
コメントレス、大変遅くなりました。
ごめんなさい。
そうですね、悩んで迷って立ち止まって。
それを乗り越えて成長していきますね。
「小さいことにも幸せがある」って、気がつかないと勿体無いですよね。
気がつける毎日でありたいと思います。
Posted by このみ。 at 2006年12月27日 22:06
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