2007年02月22日

「卒業」重松清

「卒業」をテーマにした四編。
重松自身は「ゆるす・ゆるされる」の構図もあるという。
「まゆみのマーチ」は「流星ワゴン」と対の作品。
「追伸」は「その日のまえに」に繋がるという。

四編とも「死」を扱っているので、昨年二人の身内を亡くしたばかりの私には、読んでいて辛い話でした。
「まゆみのマーチ」と「追伸」は特に、電車の中では読めませんでした。
目頭が熱くなり、呼吸が苦しくなり、慌てて本を閉じたほどです。

「まゆみのマーチ」
危篤の母を見取る為に帰郷する。
子供の頃、社会とうまく交われなかった妹のまゆみへ。
母が歌ってくれた応援歌「まゆみのマーチ」。

「あおげば尊し」
生涯教師の父は余命わずか。
「生死」を面白がっているように思える自分の生徒へ、父からの最後の授業。

「卒業」
自殺してしまった親友の娘とその家族との出会い。

「追伸」
病死した生みの母と、そりの合わない育ての母。
生みの母が残したノートを胸に抱きながら大人になって思うこと。

卒業
卒業
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2006/11
  • 売上ランキング: 925
  • おすすめ度 5.0

★10/10


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posted by このみ。 at 23:59 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit
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