重松自身は「ゆるす・ゆるされる」の構図もあるという。
「まゆみのマーチ」は「流星ワゴン」と対の作品。
「追伸」は「その日のまえに」に繋がるという。
四編とも「死」を扱っているので、昨年二人の身内を亡くしたばかりの私には、読んでいて辛い話でした。
「まゆみのマーチ」と「追伸」は特に、電車の中では読めませんでした。
目頭が熱くなり、呼吸が苦しくなり、慌てて本を閉じたほどです。
「まゆみのマーチ」
危篤の母を見取る為に帰郷する。
子供の頃、社会とうまく交われなかった妹のまゆみへ。
母が歌ってくれた応援歌「まゆみのマーチ」。
「あおげば尊し」
生涯教師の父は余命わずか。
「生死」を面白がっているように思える自分の生徒へ、父からの最後の授業。
「卒業」
自殺してしまった親友の娘とその家族との出会い。
「追伸」
病死した生みの母と、そりの合わない育ての母。
生みの母が残したノートを胸に抱きながら大人になって思うこと。
- 卒業
- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 620
- 発売日: 2006/11
- 売上ランキング: 925
- おすすめ度
★10/10