史上初の三賞受賞で、これだけ受賞しているのも納得。
途中本を閉じるのに勇気が要るくらい、面白かったです。
1961年、衛藤家はアマゾンへ渡る。
衛藤家のように家族や親戚を巻き込み、お金もかき集め、夢と希望を持って異国の中南米へ向かう人々は4万人以上。
しかし、派遣された大地に楽園はどこにも無かった。
病に襲われ命を落とす人、逃げ出す家族。
無事逃げ出し、成功する日本人は、ほんの一握り。
当時の外務省は捏造した情報を流し、「棄民」とされた移民たちは「ヤクニン」を恨み、この道を選択した自分を恨む。
40年後、外務省を復讐するために3人が日本へやってくる。
ブラジルを初めとする中南米への移民問題は、なんとなくニュースなどで知っていた程度。
知らないとは恐ろしいことです。
当時の日本、そして外務省の信じられないような考え方で、こんなにも過酷な経験をしている人たちがこんなにも居るとは。
前半のブラジル移民のこれでもかこれでもかという悲惨な生活には驚き、胸が苦しかった。
事情を知れば知るほど、外務省への恨みや怒りは当然のように思え、復讐を誓う3人を応援したくなるほど。
復讐の仕方も復讐に対する姿勢は、こんなにも酷いことをされたのに、そんなに礼儀正しくて良いのかと思うほど、登場人物の悪人ぶりとは遠い気がしました。
復讐をしたって、過去は変わらないけれども。
事実に基づいている部分は、色々な事を考えさせられ、フィクションの部分はスピード感一杯で楽しめました。
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★10/10
ブログお休み中かと思いますが、ずいぶん前にオススメしてもらったこの本を今日読み終えました。
とってもおもしろかったです。
ブログを通して、本の交流ができるっていいなぁと思いました。
またお勧めがあったらぜひ教えてください。
ありがとうございました(^^)