読み残りあと少しになって「今日中に読んでしまおう」と思った部分から、ボロボロ泣いてしまいました。
「年末、家に帰ります。おとうさん」というスーパーのチラシの裏に書かれた手紙を受け取るところから話が始まる。
僕である薫、見かけも行動も全てヒーローの兄ちゃん一(はじめ)、大雑把な性格だが凄く綺麗な妹のミキ、その二人に遺伝子を送った父さんと母さん、そして犬のサクラ。
一家5人と1匹での、家族の話。
暖かな幸せな家族の話で、読んでいるだけで幸せな気分になる中盤まで、心を洗濯されたように純粋な気持ちになりました。
「しあわせ」や「愛」、そんな言葉がピッタリ。
ある出来事からこの家族は急展開するのだけれど、どこまでも「愛」というのは誰の心にも最優先されていると思う。
語り口の僕は、何事があっても、それがどんなに悲しいことであっても、淡々としている。
唯一最後まで「壊れなかった」一人。
その淡々としている文章だからこそ、悲しい出来事が尚更悲しくなる。
あとがきに「尻尾を振ろうと思います」とあります。
なんてこと無いこと程些細な事でも、自分にとって嬉しい時も悲しい時も、尻尾を振る。
ちぎれんばかりに、ぶんぶんと。
私もそうしよう。
サクラのように。
- さくら
- 発売元: 小学館
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2005/02
- 売上ランキング: 64666
- おすすめ度
★9/10
わりとすぐ図書館で回ってきたんですよ。
もっともっとみんな予約してもよさそうなくらい、いい作品でした。
いろいろ思ったことがあってひとことでは言えないんですけど、愛情をいっぱい受けて育った子供は愛情の素晴らしさを体中の細胞にしっかり取り込んで大人になってゆくんだろうなぁ、って思いました。
あ♪回ってきたんですね!
いい本ですよねー。
とても心が温まりました。
やっぱり、人はどうやって育ったかというのが大きく影響するんだなって思わされました。
最近の嫌な事件とか、どうしても家庭環境も一緒に報道されがちだけれども、悲しいことに一理あるんだなと。
尻尾を振ることも大事ですよね!