コンビニ強盗をした伊藤は、知らないうちに150年もの間外部との交流を持たない孤島「荻島」にいる。
そこには言葉を話し未来を予知するというカカシ「優午」、嘘しか言わない画家、ルールとされる殺人をする「桜」などがいる。
神様のように扱われ、未来を予知できるけれど未来の事は人に話さない優午は、伊藤に未来を話す。
次の日、優午が殺される。
「この島には欠けているものがある」という伝説と、優午の考えていたこととは。
あっという間にこの世界に引きずり込まれました。
変わった場所に変わった人々。
独特の世界観のファンタジーに、人にとって大事なことが織り込まれているような感じ。
人間とは思えない冷酷な城山は正真正銘の警察官で、たまたま幼馴なじみの伊藤を追うのだが、読んでいる間は荻島のゆったりとした時間に意識が麻痺していたのもあって、リアリティの欠けた荻島と対照的な現実感たっぷりの悪人の城山がとても怖いです。
全ては必要な事で、意味のある事なんだ、という存在価値のつながりが面白かったです。
- オーデュボンの祈り
- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 660
- 発売日: 2003/11
- 売上ランキング: 3336
- おすすめ度
★9/10