2005年06月08日

「沈黙」村上春樹

この話は短篇で、短篇集「レキシントンの幽霊」や「象の消滅」、
「村上春樹全集1979〜1989D」にも入っているのですが
1篇だけでも売っているのです。
なんと、税込み193円手(チョキ)

社団法人全国学校図書館協議会、発行
集団読書テキスト・第U期B112

???

なんだなんだ?って感じですけど
中学や高校の国語や道徳の時間に、みんなで読んで感想を書いたり意見を言ったりと
教材に使われるものですね。

あぁ、そぉいえば見たことある表紙かも。
遠い昔の記憶なのはナイショ。

教材で使われる事を踏まえて、改めて読むと
確かに道徳観を育てる話にとても良いですね。

私がブログに本の感想を書く時、これから読む方もいると思って、
あまり内容や結末を書かないように心掛けているのですが・・・。
これだけ書かせてください。

何も理解しないで、
受け入れやすい他人の意見に踊らされて
集団で行動する事について。


周りと自分が同じだと安心だったり、同じにする事で楽だと感じてしまうのは
人間だったら当然かも。

でも、それが間違っていたり、その事で誰かが傷ついてしまったら?

自分で理解して、気が付き、行動する。
これって、特別な事じゃないのにね。

479338112X沈黙
村上 春樹

全国学校図書館協議会 1993-03
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本★9/10
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posted by このみ。 at 01:08 | 東京 ☁ | Comment(10) | TrackBack(2) | 本を読んで| edit
この記事へのコメント
本棚から引っぱり出して読みました。
色々考えさせられるお話でした…
自分は青木のような人間なのか、大沢さんのような人間なのか。
もしかすると、自分を殺して周りに合わせてしまうような人間なのか…

自分では他人に流されないように、自分の信念を持って行動している方ではあると思っているけど、それが行き過ぎて一つのことに固執した結果周りに気が回らなくなり、がむしゃらになって崩壊していく。
後から考えると周りの人に迷惑ばかり…
勿論普段は人の話を聞かない訳じゃないんだけど、頭に血が上るともう耳が閉じてしまい、我を通してしまう。
もっと素直になりたいと思っているのに、頑固な自分がそうさせないんです。困った性格です。

このみ。さんとは違った視点になったのかもしれないけど、この『沈黙』を読んで、深く考えさせられました。
再読の機会を与えてくれてありがとう。
Posted by take at 2005年06月08日 03:02
takeさん、コメント有難うございます。

確かに、この本を読むと自分は大丈夫かなって
考えさせられますね。
「沈黙」自体の話は、ブログにも書いた事を考えさせられますが、
takeさんのコメントで、私も自分の頑固さについて、次のブログで書こうと思いました。
良かったら読んでいただけたら嬉しいです(^^
Posted by このみ。 at 2005年06月09日 00:04
人間が主体性を持って行動できるかを問ういい作品だと思います。
特に、日本人は集団的な行動を好み
村社会的に生きる民族だと感じます。
外国人差別などにそれは象徴的に表れているんじゃないでしょうか。
また、寄らせてもらいます。
Posted by tomonofu at 2005年06月13日 14:34
コメント&トラックバック有難うございます。
tomonofuさんの言うとおり、日本人は特に集団行動を好みますね。
なんて書きながら、自分はどうかと考えると
やっぱり主体性を持って行動できているか疑問です。
いろんな問題を考えさせられる本ですね。
Posted by このみ。 at 2005年06月13日 23:23
初めまして。以前コメントをいただいてありがとうございます。
かなり時間が経ってしまいましたが来ちゃいました。
しばらく忙しくしていて、ブログからも読書からも遠ざかっていたのです。
が、ブログは復活しました。

村上春樹ファンとしては、このマニアックなモノを手に入れたいと思ってしまったので、ついつい取り寄せてしまいました。(笑

人それぞれ思う事はあると思いますが、中学生には是非是非考えて、悩んでもらいたいですっ!
Posted by ふぇれ子 at 2005年06月17日 22:34
こちらこそ有難うございます(^^

この本、かなりマニアックですよね(笑)
私も村上ファンとして、これは手に入れなければ!と思って買っちゃいました。

教材にはとっても良い本ですよね。
大人にも勿論良い、というか、大人に是非教材として読んで貰いたいくらいです(^^;
Posted by このみ。 at 2005年06月18日 03:22
このみ。さん、こんばんは
ご無沙汰しております。以前、「ふしぎな図書館」の記事にTBさせていただいた lapis と申します。
「沈黙」についての記事を書きましたので、TBさせていただきます。一応、村上春樹ファンの一人なのですが「沈黙」という作品は存在自体忘れていました。(苦笑)久しぶりに引っ張り出して、読んだので、感想を書いてみました。
それでは、よろしくお願いいたします。
Posted by lapis at 2005年08月28日 02:12
>lapisさん
お久しぶりです(^^
村上春樹の本をコンプしたくて、この本を買いました(笑)
他の短編集にも入っているのにね。
lapisさんの通り、この本では村上ワールドが炸裂していないので、初めての方には分かり難いのかも。
でも教材としては優れていると思います。
Posted by このみ。 at 2005年08月29日 01:32
初めまして。
私が沈黙という本に出会ったのは、いつだったか何かの問題を解いていた時でした。
私の今の状況と同じような体験が書いてあったので、ビックリしてその本を調べて買ったんです。

読んだすぐ後の感想は昔の大沢さんの状況にただ共感していただけでした。青木は嫌な奴だーとか、なんで誰も信じてくれなかったんだーとか。

でもこちらの感想を読んで、自分の気持ちが変わりました。
それはもしかして、「受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する人」と変わらないのかな…と。違うかもしれないですけど;

私は今いじめみたいな…学校で誰とも会話できない状況だけど、それに負けないで、大人になっても自分の意見を持てるような人になりたいです。
長くてすみません;;
失礼しました。。
Posted by 世良 at 2006年08月29日 15:08
>世良さん
はじめまして。
本の内容の受け取り方って、そのときの自分の体調や心情などで変わってきますね。
私も読むときによって受け取り方が変わってくるので良いと思った本は何度も読みます。
この本は特にそんな感じ。
どうしたって集団に個人の意見が負けやすいのが、今の日本だと思います。
日本がどうとかじゃなくて、そういう風に育ってきてるのだからしょうがない部分もあるけれど。
たぶん、気が付かない内にそういう行動を取ってしまっている時は誰にでもあるような気がします。
世良さんは辛い状況にあるのですね。
詳しく分からないので、間違っていたら申し訳ないけれど・・・
世良さんの周りには誰か、色んなことを話せる人はいますか?
同級生で居なくとも、先輩や後輩、勿論両親や近所の親しい人など、誰か話せる人がいるはず。
絶対に一人だけで抱え込まないで下さいね。
自分の意見をしっかりと持っている人はステキだと思います。
たとえ、それが周りと違う意見だとしても、正しいのか間違っているのかなんて、誰にも決められない事だってあります。
自分の意思をしっかり持つのは難しいことだけれども、
軽い気持ちや無意識の内に周りに流されて、人を傷つけてしまうのは悲しい事ですものね。

Posted by このみ。 at 2006年08月29日 22:18
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