2007年05月17日

「GO」金城一紀

第123回直木賞受賞。
窪塚洋介、柴咲コウ、大竹しのぶ、山崎努等の出演で映画化もされています。

日本で生まれ育った僕(杉原)は「在日」と呼ばれる。
オヤジはハワイに行きたいと言い出し、国籍を「朝鮮籍」から「韓国籍」に変える。
恋をしたけれど、相手の女の子は「日本人」だった。

文中で杉原は「これは僕の恋愛に関する物語だ」と言っているけれども、恋愛小説ではない、というか恋愛小説だけではない。
日本で生まれて日本で育っているのに、どうしてもつきまとう「在日」という差別。
冒頭部分で胸が締め付けられました。
「在日」なだけで日常生活で数え切れない程の嫌な思いをし、国からも日本人とは明らかに違う扱いを受ける。
たった一つのことなのに、こんなにも縛られる国籍とは一体なんでしょう。
強く生きなければ潰されてしまうと、無意識でも意識的でもガードを硬くしていく姿が、そうさせてしまっている日本人として辛いです。
とにかく色々考えさせられました。読んで良かった。
映画も観なければ。
俺は何者だ? (中略) 俺は俺なんだ。

GO
GO
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2003/03
  • 売上ランキング: 58410
  • おすすめ度 4.5

★10/10
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posted by このみ。 at 23:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(2) | 本を読んで| edit
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