映画『薬指の標本』 公式サイト
小川洋子の作品は海外に翻訳も沢山されていますが、なんとこの映画はフランス映画。
人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働く私は、標本技術士に靴をプレゼントされる。
毎日履くように言われるが、あまりにもピッタリとなじみ、脱げなくなってしまう。
小川洋子の小説には、読んでいるうちに愛おしく思える小物が沢山出てきます。
そして、そのどれもが話の中で愛情たっぷりと使い込まれます。
楽譜やきのこや文鳥の骨など、標本室には様々なものが持ち込まれます。
忘れたくないものや、忘れたいけれど忘れられないものを、封じ込めるための標本室。
主人公の私は前の職場で薬指を少し切ってしまうのだが、その描写が痛々しくもあるがスローモーションで観ているように綺麗。
映画化でのこの部分が、気になります。
実際には無いだろうけれど、こんな世界があったら…、というもう一つの物語「六角形の小部屋」も収録。
誰も居ない部屋に入り、自分の話したいことを話すというもの。
こちらも特殊だし奇異で、普通の世界ではありえないけれど、読んでいてなんだか納得してしまう世界。
こんな部屋があったら私は何を話すのだろう。
- 薬指の標本 (新潮文庫)
- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 380
- 発売日: 1997/12
- 売上ランキング: 97511
- おすすめ度
★8/10
原作読んですごくよかったし、早く観たくて。
でも、フランス映画って何となくあってる気がします。
観る前にもう一度読み直そうかな。
えー!いいなーいいなー(笑)
フランス映画っていうのが凄く気になっているんだけど
ウチの近くのレンタルビデオ屋には置いて無くって。
観てみたいなぁ…。
TBさせていただきました。
小川洋子さんの作品は2冊目だったのですが、
確かに小物の描写が上手だなあと思いました。
生々しくない無機質な文章が美しく、
とてもエロティシズムを感じさせられます。
>こんな部屋があったら私は何を話すのだろう。
う〜ん、
僕は何を話すのだろうか?
考えてしまいました。
それではまた、
ごきげんよう。
はじめまして。
コメント、TB有難うございます!
小川洋子さんの文章には独特の世界観がありますね。
結構どぎつい事もキレイに思えてしまうほどの透明感には、いつも引き寄せられます。
部屋では何を話しましょうか。
入ってみたいような、入るのが怖いような・・・。