全部で13編。
昔NHKで、ドラマ化されたんだそうです。
他にはT贈で爆笑問題の太田光が向田邦子と、この本を薦めていたそうです。
地味な文章なのに、妙にヒヤヒヤさせられます。
誰もが一つや二つは持っている様な、弱さや狡さが前編に出てきて
妙に怖いです。
どれも最後にヒヤッと。
最近この系統良く読んでいるなぁ。
古い言い回しや、急に裏をかかれてヒヤッとするところは
独特の感性で書かれているから。
大人の為の13編。
一つ一つが短いのに、凝縮されている感じ。
私は「かわうそ」と「大根の月」が面白かった。
解説で水上勉さんが
「短編を勉強したいなら、思いでトランプを一、二編書き写してみると良い」
と書いています。
それくらい、短編として優れているのでしょう。
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本★9/10
私の学生時代、ドラマを志向していた者にとって向田邦子の存在は圧倒的でした。稼げる脚本として「寺内貫太郎一家」などもありましたが、NHKでやった「あ、うん」とか、TBSの「幸福」とかの地味な連続ドラマの文学性は孤高の存在だったと思います。
確か、「幸福」はDVDが出てると思います。機会があればご覧になることをお薦めします。
彼女は本当にTV向きというか、家庭生活の日常
の本当に小さな小さな変化や仕草といったものから、人間の心の不思議なブレや始末に終えない感情や情念を押し広げて見せつけてくるのです。
この短編集で直木賞を取り、一般社会でもブレイクしてさあこれから、というときに飛行機事故にて急逝。直接には縁もゆかりもない文学部の学生にとっても、呆然とする出来事でした。
いえいえ、どの記事にもコメント大歓迎です!
でも昔の記事の文章は…恥ずかしいですね(笑)
なんだか文字化けしてるし…。
向田邦子は改めて読むと、やはり凄い人ですね。
脚本家なだけあって、文章から得られるイメージの鮮明さが、他の作家とは違います。
TVドラマでも大ヒットが多いのも納得。
本を数ページ読んだだけで「さすが向田邦子」と思ってしまいます。
地味なのに完全に引き込まれる魅力ってなかなか簡単ではないと思うので。
「幸福」、機会があったら観てみますね。
これからも向田邦子の本は読み進めていきたいです。