泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
泥棒を生業とする黒澤、新進画家の志奈子、新興宗教の教祖に惹かれている画家志望の河原崎と指導役の塚本、それぞれの配偶者を殺そうとしている精神科医の京子とサッカー選手の青山、失業者の豊田。
5つの話は同じ場所で同じものを見て、5つの視点からそれぞれの話が始まり、それらが複雑に関連してくる。
伊坂作品は「多作品の登場人物などがリンクされている」と聞いていたけれど、私がこれまでに読んだのは2作品。3作品目のこの本で、知っている名前などがちらほら出てきました。こういうことなんですね。
バラバラの話がバラバラの時間の流れで出てくるので、それぞれの話が絡んできた時、その絡みを理解するのに時間がかかりました。前のページに戻ったりして読み返すことも。
こういう話を書くのって、純粋に凄いなと思います。
謎として分からなかった部分が、読みながら次々と紐解かれていくのは読んでいて気持ちがよいですね。
文中何度も出てくるそれぞれの主人公が目にするエッシャー展の垂れ幕。兵士が同じ階段をぐるぐると登り続ける(降り続ける)。この話の話の流れを上手く表現しているかのような騙し絵で印象的。
- ラッシュライフ (新潮文庫)
- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 660
- 発売日: 2005/04
- 売上ランキング: 410
- おすすめ度
★7/10
伊坂作品初トライだったのですが、
序盤で投げちゃったんですよね(笑)
今は何作か読みましたので、ぜひ
もう一度トライしてみようと思います。
序盤で投げ出す気持ち、少し分かります(笑)
違う話がバラバラ出てくるので、頭の中で整理が出来るまでの辛抱かも。
何作か読まれているなら、ぜひ!
ご存知の登場人物が出てくるかもしれません。
「あ、この人知ってる!」とか、私は結構好きなので(笑)