いつもの暮らしのそこここに、ひっそり開いた異世界への扉
四つの幻想譚。
やっぱりこの人の文章、好きだな。
古風なのに斬新で、あたたかい。
4つの短編集で、芥川賞候補になった「婆」も収録されています。
「物語が、始まる」
ある日、男の雛型を拾う。
ゆき子と雛型三郎の不思議なラブストーリー。
「トカゲ」
幸せの座敷トカゲなるものを貰う。
何故かどんどん大きくなり、最後は・・・。
「婆」
婆に呼ばれて家に入ったら、穴があった。
「墓を探す」
祖先の墓を姉と探す。
不思議な世界観で、強く訴えられているわけではないのに何かが伝わってくる文章。
深く考えようとすると、迷い込んでしまうような文章。
どう思ったかとか、具体的に言葉で表すのは難しい。
それでも必ず何かを伝えてくれている気がします。
- 物語が、始まる (中公文庫)
- 発売元: 中央公論新社
- 価格: ¥ 580
- 発売日: 1999/09
- 売上ランキング: 157156
- おすすめ度
★8/10