2005年10月30日

「東京奇譚集」村上春樹

奇譚とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。
しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語。

村上ワールドは相変わらずですが、この本の評判は色々みたいです。
みんな、超大作を期待しすぎているのかしら。
まるで政治家の様に批判されている気がしますが。

私は、久々どっぷりと浸る事が出来たので面白かったです。
村上春樹の文章って、どうしてこんな気分になるのでしょうか。
本当に不思議。

「偶然の旅人」には村上春樹本人が登場して驚きました。
この本自体の「はじめに(プロローグ)」かと思ってしまったくらい。

私は「日々移動する腎臓のかたちをした石」が一番心に残りました。
なんと言っても主人公が父親に教えてもらった言葉。

男が一生に出会う中で本当に意味を持つ女は三人しかいない。それよりも多くないし、少なくもない

これ、実際良く聞きますね。
「男が」ではなくて、「人は」ですけど。
主人公の淳平が、この言葉を忘れられないように、
私も何故か、妙に信じてしまっているところがあります。

今まで出合った人の中に、本当に意味を持つ人は何人含まれているのかしら・・・。
そして、その判断は正しかったのかしら・・・。

収録されている短編作品
偶然の旅人
ハナレイ・ベイ
どこであれそれが見つかりそうな場所で
日々移動する腎臓のかたちをした石
品川猿

4103534184東京奇譚集
村上 春樹

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本★8/10


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posted by このみ。 at 03:54 | 東京 ☁ | Comment(6) | TrackBack(5) | 本を読んで| edit
この記事へのコメント
まだ読んでないから早くよまなければ。
できたら文庫化するまで待ちたいけど。。。

今ねじまき鳥を読み返し中です。
Posted by saku at 2005年10月30日 23:41
>sakuさん
ねじまき鳥かー♪
好きな長編です(*^^)

文庫化、私はアフターダークして欲しいわ。
読み損ねているから。
早く読みたいっo(´^`)o
Posted by このみ。 at 2005年10月31日 00:58
まだ全部読んでません。
早く読まねば〜
「偶然の旅人」
ありそうねって言うかこういう経験、あります。

人生って、、、運命って、、、
なんて言ってみたくなる今日この頃のkyoですが。。
Posted by kyo at 2005年10月31日 09:57
>kyoさん
ネタバレにしていないつもりだったけれど
大丈夫だったかしら・・・。
「偶然の旅人」は、私もウンウンとうなづきました。
あの時こうしていなかったら、今の自分はいないって
実感しちゃう時、ありますよね。
Posted by このみ。 at 2005年11月01日 00:56
こんにちは。
TBさせていただきました。

最近の氏の作品はピンとこなかったのですが、
この作品はとても面白いと思いました。
特に『ハナレイ・ベイ』と『品川猿』が。

それではまた。
ごきげんよう。
Posted by T.Sato at 2007年12月18日 05:55
>T.Satoさん
TB&コメント有難うございます。
レスが大変遅くなりました。
品川猿、私も好きです。
最近翻訳ばかりで、昔の長編小説が懐かしいですね・・・。
Posted by このみ。 at 2007年12月29日 19:20
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