2009年02月21日

「スローモーション」佐藤多佳子

内容(「BOOK」データベースより)
柿本千佐、女子高の1年生。22歳のニイちゃんは元不良で無職、父さんは小学校教師でクソ真面目人間、母さんはお見合いでバツイチ堅物男と結婚した専業主婦。父さんはあたしに、修道女みたいなタイプを望んでいる。最近、いつも動作がスローな同級生・及川周子が気になってしかたがない―。『しゃべれどもしゃべれども』などで話題の著者による、ちょっと痛くて切ない少女たちの物語。

外見が派手なら、内面も派手か。
行動がスローなら、トロイのか。
どうしたって見かけの印象が強いから、その通りの人かと思ってしまいがちだけれど、その通りのはずは無いんだ。
思春期の気持ちのゆれを思い出しながら読みました。
こんな歳を取ったって、外見で判断してしまう部分もあるのを思い出し、反省。

スローモーション (ピュアフル文庫)
スローモーション (ピュアフル文庫)
  • 発売元: ジャイブ
  • 価格: ¥ 567
  • 発売日: 2006/06/01
  • 売上ランキング: 86182
  • おすすめ度 4.0

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 22:38 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 本を読んで| edit

2009年02月20日

「凍りついた香り」小川洋子

調香師だった恋人・弘之が自らの命を絶った。「私」のために作った香水をプレゼントしてくれた次の日のこと。「私」の知らない弘之。すべてを知るために、プラハへ、死者をたずねる旅に出る。

自分の恋人があまりに突然、自ら命を絶ち、理由を探しているうちに自分の知らない彼ばかりが出てくる。
小川洋子の世界にどっぷりと浸かりました。
この人の文章は少し病的な感じも大事な特徴です。
数学も出てきて、「博士の愛した数式」を彷彿とさせます。
ただ、最後。
村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出すような内容で、これは勝手な私の都合ですが、読みながら「小川洋子も村上春樹を読んだのかなぁ・・・」とか考えてしまい、集中できませんでした(苦笑)
なにやってるんだ、私。

凍りついた香り
凍りついた香り
  • 発売元: 幻冬舎
  • 発売日: 1998/04
  • 売上ランキング: 700965
  • おすすめ度 4.5

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 22:33 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年02月12日

「乙女なげやり」三浦しをん

人生とは、愛と欲望と思い込みだ! 作家・三浦しをんの「乙女なげやりな日々」を綴る爆笑エッセイ。「なげやり人生相談」も収録。ウェブマガジン『Boiled Eggs Online』掲載「しをんのしおり」をまとめる。

三浦しをんさんのエッセイの表紙には、こんな感じの表紙が多くて、表紙にカバーを付けないと電車で読むのが少し恥ずかしかったりします(笑)
でもこの表紙は私でも知っている、あの「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さん。

前から、小説とエッセイのギャップが激しいなと思っていたら、そのことについて書かれていました。
小説は「三浦氏」、エッセイは「をん」が担当するユニット「三浦しをん」だなんてところは、笑いすぎて頭が上がりません。
漫画を読みすぎて締め切りギリギリとか、何日も頭を洗っていないとか、何日も外へ出かけていないとか、ぐうたらな生活を隠そうともせずに、そのときやったことや思ったことが書かれています。
物事にはこんな考え方もあるんだと驚かされたり、呆れて笑ったり、とても楽しい。
しをんさんの友達や弟さんが楽しい人で、こんな面白い人達は私の周りにはそうそう見当たらない。
いっそのこと私がこんな風になってみようかとも思いましたが(まぁ、なろうと思ってなれるものでもありませんが・・・)、周りがついて来てくれるか不安です(笑)

乙女なげやり
乙女なげやり
  • 発売元: 太田出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2004/06
  • 売上ランキング: 171801
  • おすすめ度 4.0

★7/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 13:48 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年02月05日

「美女と野球」リリー・フランキー

一応デビュー作。
一応と言うのは、書いたのは初めての作なのに発行は後になってしまった、ということなので。

(「BOOK」データベースより)
好きなものは美女と野球。のんべんだらりんと、底の浅い濁流のような毎日。タキシードを着て司会をし、双子の姉妹やコントの国の人に会い、レコード会社を作り、オカンとオトンと三人で夜の東京タワーを見て…コク深くて笑いに満ちた、愛と哀しみのエッセイ集。

リリー・フランキーさんの本は、大ヒットした「東京タワー -オカンとボクと、時々オトン-」を読んであんまり感動できず、でも世の中は「感動で涙の嵐」的な雰囲気の中、感想も書きにくくてアップしていない・・・という事があって以来、少し敬遠していましたが、今回なんとなく読んでみました。
エッセイ集で、物凄くシモネタが多いです(笑)
エッチでお下品。だけど、違う何かは伝わってきます。
電車で読んでいて、吹き出してしまうような面白いエッセイもありました。
でも・・・この本は、やはり男性が読むと面白いのかなと思いました。

美女と野球 (河出文庫)
美女と野球 (河出文庫)
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 546
  • 発売日: 2005/10/05
  • 売上ランキング: 47786
  • おすすめ度 4.0

★7/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年01月28日

「対話篇」金城一紀

対話すること。
それで、今よりも前に進むことが出来たら。
3つの短編集で、どの話もセリフで大事な話が進む。
そこには「死」が関わってくる。

最後の「花」はすごく良かったです。
運転のアルバイトで、国道だけで鹿児島まで行く話。
読了後もしばらくじわじわと心に沁みてきました。

孤独の淵に閉ざされた人々が、他者との「対話」によって少しずつ世界への扉を開いていく。心にやさしく響く作品集。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3篇を収録。

対話篇 (新潮文庫 か 49-1)
対話篇 (新潮文庫 か 49-1)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2008/06/30
  • 売上ランキング: 9543
  • おすすめ度 4.0

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 00:17 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年01月17日

「対岸の彼女」角田光代

第132回直木賞受賞。

今まで角田光代の本は16冊読んでいる。なのに、この本に手を出していなかったのはなんでだろう。少し勿体無いような気分でとっておいたけど、そのこと自体が勿体無かった気もします。
角田さんの本は読みやすくて読みすぎる。今まで読みすぎていて、慣れきってしまった独特の世界観が、この本でピッタリとはまりました。
あぁ、この人が今まで書いていた文章は、こうなっているのかと。

女性の友情って難しい。
少しの事で壊れるし、心の底から信じられる親友は数少ない。
高校生の頃は友達って簡単に出来たのに、大人になったら出来にくくなった。
本当に必要なのは「今」なのに。
三十代の専業主婦の小夜子、旅行会社社長の葵、葵の高校時代の同級生ナナコ。
小夜子の今と葵の高校時代の話が交互に出てくる。
小夜子は人付き合いが煩わしかったが、葵の会社で働き始めるとイキイキしてくる。
葵のサバサバとした性格。それは高校時代の友達ナナコからの影響だった。

女性の心理がここまで上手い具合に書かれているとは。
男性には少し分かりにくいかもしれません。
でも女性心理はこんな感じ。めんどくさい世界。それでも抜けられない。
人間関係って大人になるほど難しくなる。
立場の違う女性が友達になれるのだろうか。
ステキな終わり方も良かった。

対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)
対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2007/10
  • 売上ランキング: 2908
  • おすすめ度 5.0

★10/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 01:42 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年01月07日

「ぶたぶたのいる場所」矢崎在美

ぶたぶたシリーズ、はまっています。
(「BOOK」データベースより)
海辺の瀟洒なリゾートホテルには、知る人ぞ知る神出鬼没のホテルマンがいた。見た目はかわいいぬいぐるみだが、中身は頼りになる敏腕執事。お客が困っていると、何処からか現れ、疾風のように去ってゆく―。その姿を目撃した者は、幸せになれるという伝説があるのだ。今日も新たなお客がやってきて…。とっても不思議で心温まる、超人気シリーズ。

今回の舞台は歴史ある白亜のグランドホテル。
ぶたぶたさんはホテルのバトラーとして働いています。
今までのシリーズでもぶたぶたさんは不思議な魅力で、周りの人たちを幸せな気分にしたり、前向きな考え方にしたり大活躍なのですが、今回は「オセロー」のイアーゴーまで演じます。ピンクのぶたのぬいぐるみで点目なのに、ちゃんと表情があり、もくもくとしゃべる様子が目に浮かびます。
かるーく読めて、これだけ暖かい気持ちになれる本って、嬉しいな。

ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)
ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 520
  • 発売日: 2006/07/12
  • 売上ランキング: 127151
  • おすすめ度 4.5

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 01:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2009年01月06日

「ハリーポッターと死の秘宝」J.K.ローリング / 訳 松岡祐子

ハリーポッターシリーズ最終章の第七巻。

ついに最終章。ここまで来たら読むしかないし、読むなら一気しかない。
発売日から遅くなっちゃったけれど、ようやく読了。

第一巻から長い年月が経ち、映画のダンブルドア役の方が亡くなったり、翻訳の松岡祐子さんが3年間で35億円を越える申告漏れがあったりと、色々思い出しながら読み始めました。

もちろん宿命のヴォルデモートとの対決になるわけだけれども、第一巻から今までの登場人物や出来事が沢山出てきます。
登場人物に関しては名前だけではすぐに思い出せない人も居ましたが、過去の事件の真相など、伏線がたくさんあり、面白かったです。

ただ、少しだけ読みにくい・・・。
誰が言ったセリフなのかが分かりにくい箇所や、細かい部分がこんがらがっている気がします。これはこの最終章に限ったことではありませんが、今回はとにかく沢山の人が入り乱れて登場するし、場面もどんどん変わるため、気になりました。話が面白いから、先を急ぎたいのに、つまずきながら読んでいる感じです。

もう一度、第一巻から読み返したいのは山々だけれど・・・。
重いから持ち歩けないし、全部読むとしたら相当の時間がかかるだろうな。
うーん、でも。いつか、読み返すぞ!

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
  • 発売元: 静山社
  • 価格: ¥ 3,990
  • 発売日: 2008/07/23
  • 発売日: 2008/07/23
  • 売上ランキング: 34
  • おすすめ度 4.5

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:50 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年11月19日

「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美

なぜ僕はきちんと人を愛せないんだろう――とめどないこの世に、真実の愛を求めてさまよった男一匹の恋とかなしみの道行き。切なさあふれる傑作連作集

1人の男性「ニシノクニヒコ」を10人の女性から見た10編の連作短編。
ニシノくんは、とにかくモテる。
女性の扱い方は天性のもので、甘え上手、顔とスタイルも良い、要領も良い、頭も悪くない。ワォ。
それでも女性を心から愛せない。
そして、必ず最後は女性の方から別れを告げられる。

こんな男性、ここまで行かなくてもこれに近い人って居ると思う。
これだけモテるなら良いかなとも思うけれど、やっぱり寂しいよな。
女性の視点から書かれているので、とても共感できる。
私の友達(男性)がこの本を読んだけれど、いまいちダメだったらしい。
やっぱり男性と女性で、考え方や感じ方が違うのね。

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)
ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2006/07
  • 売上ランキング: 36609
  • おすすめ度 4.0

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:50 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年11月13日

「生まれる森」島本理生

恋人に別れを告げられた痛手から、自棄になっていた主人公の「わたし」。友だちの部屋を借り、期間限定の独り暮らしを始めたが、いつまでも失恋の記憶は拭えないままだった。そんな主人公に新たな風を送ってくれたのは、高校時代の同級生キクちゃんと、キクちゃんの家族だった。ガテン系の父、中学生の弟、そして主人公の悲しみを知ったうえでそれを受け止めてくれる兄の雪生。本当の家族のように親しくしてくれる一家に見守られ、終わった恋を整理しながら、次第に主人公は癒されていく。

予備校の先生のサイトウさんに恋をした主人公が、別れた後も抜け出せない世界がとても分かりやすい。
辛くて苦しいけれど、あきらめなければならない、というのは簡単な事じゃない。
キクちゃんとキクちゃんの家族がとても感じが良くて好感が持てます。
キクちゃんみたいな子は、私も大の親友になれそう。
主人公の独特の性格や感性も好きです。

今度あの人に触れたら、きっとわたしは死んでしまう。 (本文より)

生まれる森
生まれる森
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/01/29
  • 売上ランキング: 297063
  • おすすめ度 3.5


★7/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:50 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年11月06日

「沙羅は和子の名を呼ぶ」加納朋子

もしもあの時、別の選択をしていれば、全く違う人生を歩んでいたのだろうか…。平凡な会社員・元城一樹のふとした夢想が、すべての始まりだった。一人娘の和子の前に姿をあらわした不思議な少女沙羅。その名前が甦らせる、消し去ったはずの過去。やがて、今ある世界と、あり得たはずの世界とが交錯しはじめて ―。表題作を含む、全10編を収録。珠玉のミステリ短編集。

加納朋子さんの文章は、ミステリーなのにとても優しい雰囲気。
ファンタジーな要素も沢山あって、ミステリーが余り得意でない私も充分に楽しめます。
どの話も良かったけれど、「黒いベールの貴婦人」「オレンジの半分」「沙羅は和子の名を呼ぶ」が面白かったです。

目次
黒いベールの貴婦人 / エンジェル・ムーン / フリージング・サマー
天使の都 / 海を見に行く日 / 橘の宿 / 花盗人 / 商店街の夜
オレンジの半分 / 沙羅は和子の名を呼ぶ

沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)
沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2002/09
  • 売上ランキング: 48089
  • おすすめ度 4.0

★7/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:11 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年10月31日

「99%の誘拐」岡嶋二人

第10回吉川英治文学新人賞受賞。

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。

この本が文庫で出始めた頃、どの本屋さんに行っても山のように平積みされていたのを覚えています。
それを見た私は何故だか天邪鬼になり、「今のこのブームには乗らないぞ」みたいな気持ちで素通りしていました。
今読み終わってみると、流行っていた理由も納得の面白さでした。

父が書いた手記には、息子の誘拐事件の詳細が書かれていた。
当時の被害者である息子は、父親と同じ会社に就職し、優秀な社員として働いている。
そんなとき、20年前の事件の身代金、当時の価値で5000万円分の金の延べ棒が発見される。

スピード感があり、とても読みやすかったです。
完全犯罪をしようとする犯人が、慎重に事件を進めていく様子がワクワクします。
今から20年前に発売されたので、コンピューター関係の内容に古さを感じますが、かえって今読んだから理解が出来る部分もあるかもしれません。
少なくとも、当時私がこれを読んでもチンプンカンプンだったかも。

99%の誘拐 (講談社文庫)
99%の誘拐 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 730
  • 発売日: 2004/06
  • 売上ランキング: 176838
  • おすすめ度 4.0

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 21:48 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(2) | 本を読んで| edit

2008年10月22日

「水曜の朝、午前三時」蓮見圭一

この人の本は初めて読みました。
普段私が本を選ぶ時に、評判が良いものや読んだことのある作家のものを選びがちで、たまに表紙買いがある程度ですが、この本は題名買いです。
この題名の、どの部分がどうして気になったのかは分かりませんが(笑)

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官として将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら…」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

他の方の評判が見事に割れているのがなんとなく分かります。
妻の母親の壮絶な人生。
それはとても興味深いものでしたが、設定があまり好きではありませんでした。
当時の世間としては、こういう感じだったのだとは思いますが。

水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)
水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2005/11
  • 売上ランキング: 180569
  • おすすめ度 3.5

★6/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 22:44 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年10月15日

「幽霊人命救助隊」高野和明

自ら命を絶ってしまい、浮かばれない霊となってしまった4人が、人名救助隊を結成する。
神様との約束は、天国行きと引替えに、49日間で100人の命を救うという事。

読みながら、浅田次郎の「椿山課長の七日間」を思い出しました。
自殺してしまった4人は、自殺しようとしている人たちを助けていく中で、自分の自殺を振り返る。
残してきた周りの人、死ななくても良かったという事実、自分の死んだ後の姿、それぞれの事情があるにせよ、自ら命を絶ってしまうという悲しい事に正面から向き合う。
自殺する理由は人それぞれだけれども、最終的には死ななくてもなんとかなる。
今の世の中のいくつもの問題点なども指摘していて、自殺だけではない問題提議もされている。

文章が読みやすくて、どんどん先に進めます。
そして自殺をしようと思ってしまううつ病などの精神病、自殺そのものについて、分かりやすく書いてあります。
最後にはホロリと泣かされてしまいました。
この世の中を生き抜くためには、図太さも必要なんだ。

幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1)
幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 720
  • 発売日: 2007/04
  • 売上ランキング: 37215
  • おすすめ度 4.5

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 21:52 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | 本を読んで| edit

2008年10月10日

「ゆっくりさよならをとなえる」川上弘美

春夏秋冬、いつでもどこでも本を読む。居酒屋のカウンターで雨蛙と遭遇したかと思えば、ふらりとでかけた川岸で釣り竿の番を頼まれもする。深呼吸のようにゆったりした、59篇のエッセイ。

さまざまな新聞や雑誌に連載された59篇ものエッセイ。
川上弘美がどういう人なのかが分かり、ますます好きになりました。
読書の事、友達の事、日常の事、全てにおいてチャーミングで優しい。
独特の文章も読んでいて心地良いのは感性が素晴しいからなんだなと納得。
書評がまた良くて、幅広いジャンルなのにどの本も読んでみたくなります。
またしばらくしたら再読しようっと。ゆっくりと。

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)
ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 420
  • 発売日: 2004/11
  • 売上ランキング: 76333
  • おすすめ度 4.5

★9/10

▲TOPへ
posted by このみ。 at 02:23 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年10月04日

「きいろいゾウ」西加奈子

「きいろいゾウ」公式ページ

この本を読み終えるには、かなりの時間がかかりました。
決して面白くないワケではありません。
寝る前に読み始めると、本の前半部分はあまりの幸せさに安心させられて、ついつい寝てしまいます。
後半部分は・・・なんでだろう(笑)
内容的には幸せ一杯の部分だけではないのですが、文章の雰囲気が暖かくて、ほんわか。
ということで、うーん・・・2週間はかかりました。
毎日ほんの少しずつ、読み進めていました。

夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う若夫婦が、九州の片田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、百足、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった。ひとり残されたツマは、幽霊に出会い、家のそばにある裏山のなかへと進んでいった。そこで彼女は、あるものに遭遇する。

あー、こんな夫婦になりたい。
大事なものなんて、ひとつしかない。
「ムコさん」「ツマさん」と名前を呼び合っているだけで、幸せなんだ。
登場人物も優しい。
そして、西加奈子の文章には動物の言葉が良く出てくるけれど、それがまた良い。

きいろいゾウ
きいろいゾウ
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2006/02/28
  • 売上ランキング: 198338
  • おすすめ度 3.5

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 00:49 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年09月29日

「償い」矢口敦子

「感動の長篇ミステリ」という帯に惹かれて読んでみました。
うーん・・・。
あんまり感動できなかったです。
医師をしていた男がホームレスとなる。
ホームレスになる理由は、なるのも納得してしまうほどに悲しい出来事。
自分が医師でありながら、仕事が忙しくて自分の子供を病死させてしまい、妻に冷たいひと言を言ってしまう。
そして、かつて命を助けた子供に出会い、その子が連続殺人犯なのかと疑う。
ここまでも帯に書かれているし、「感動」と書いてあるので、その後の展開も本を読む前に分かってしまっているようなもの。

「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか?」

償い (幻冬舎文庫)
償い (幻冬舎文庫)
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2003/06
  • 売上ランキング: 510
  • おすすめ度 3.5

★5/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 23:16 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | 本を読んで| edit

2008年09月23日

「ゆめつげ」畠中恵

幕末が舞台だし時代小説になるのかと思うのに、この人のしゃばけシリーズも含めて、時代小説のコーナーには入らず、いつも現代小説のコーナーにあるのが不思議です。
まぁ、時代小説コーナーにあったら、普段読まない女性は探せないかもしれません。

江戸は上野の端にある神社で神官を務める粗忽な兄としっかり者の弟。兄には夢告の能力があった。その噂を聞きつけて舞い込んで来たのが、大店の行方不明の一人息子の行方を占ってほしいという依頼だったのだが……。

しゃばけシリーズ以外で読むのは初めてです。
主人公の弓月があまりに頼りない兄で、しっかり者の弟、信行。
頭の切れる彰彦など、この本もしゃばけ同様に登場人物のキャラクターがとても好感が持てます。夢告という特殊な能力という設定も楽しい。
そして凄く読みやすい。

ゆめつげ (角川文庫 は 37-1)
ゆめつげ (角川文庫 は 37-1)
  • 発売元: 角川グループパブリッシング
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2008/04/25
  • 売上ランキング: 1787
  • おすすめ度 4.0

★8/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 01:47 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(1) | 本を読んで| edit

2008年09月20日

「地下鉄(メトロ)に乗って」浅田次郎

吉川英治文学新人賞受賞。
映画化されています。
「地下鉄(メトロ)に乗って」映画公式サイト

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。

こんなにも有名な作品を今になってやっと読みました。
「鉄道員(ぽっぽや)」の少し大人のイメージが強かった為、椿山課長の七日間を読んだ、読みやすさと面白さの衝撃は大きかったのは、まだ覚えていますが、なんとなく手を伸ばしにくかったみたいです。

世界的に有名になるまで登り詰めた仕事人間の父親の過去を、タイムスリップしながらたどっていく。
縁を切ったほどのひどい父親だったが、過去の父親と関わると、どれだけ辛い時期に頑張っていたのかが分かる。
自殺をした兄、家を継いだ弟、一緒に家を出た母親、父親の愛人など、家庭事情はなんとも複雑。

読み終えると何とも言えない気持ちです。
戦中戦後の混乱していた日本を生き抜いた父親の強さには驚かされるし、母親がどんな気持ちで子供3人を思っているのかも分かる。
仕事仲間でもあったみち子がなんとも哀しい。

地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 1999/12
  • 売上ランキング: 7856
  • おすすめ度 4.0

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 00:41 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

2008年09月15日

「ぶたぶたの食卓」矢崎存美

見た目は愛らしいぬいぐるみだが、中身は心優しき中年男・山崎ぶたぶた。彼が作る料理は、どこか懐かしく切ない思い出の味だ。大好きだった祖母が作ってくれたチャーハン、遠い夏休みの記憶を喚び起こすかき氷…それらが、傷つき疲れた人々の心をときほぐし、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてゆく―。心の奥をほんのりと温めてくれる、傑作ファンタジー。

ぶたぶたのキャラクター、最高です。
可愛いのに、中年で家族があるお父さんだというところがさらに良いです。
誰からも好かれ、弱っている人を癒してくれる不思議な魅力を持ったぶたぶた。
シンプルで簡単な料理を心をこめて作り、それを口にした人はみんな元気になれる。
食べ物が美味しそうに感じられる文章は高評価になるのは私の傾向ですが、本当に美味しそうなのです。
ぶたぶたシリーズがあるので、他のも読みたくなりました。

矢崎存美のブログ
矢崎電脳海牛ブログ

ぶたぶたのモデルになったぬいぐるみ“ショコラ”(サイズM)
モン・スイユ

ぶたぶたの食卓 (光文社文庫)
ぶたぶたの食卓 (光文社文庫)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2005/07/12
  • 売上ランキング: 199834
  • おすすめ度 4.5

★9/10
▲TOPへ
posted by このみ。 at 02:45 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読んで| edit

▲TOPへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。