2007年04月20日

「アッシュベイビー」金原ひとみ

芥川賞受賞後、第一作。

キャバクラ嬢のアヤは、ホクトとルームシェアをしながら暮らしていたが、ホクトの仕事関係で知り合った村野さんに恋をする。

…。
あらすじを書こうと思ったけれど、書けるのはこれくらいしかない。
衝撃的な作品で、とにかく内容がえげつなく、下品。
いい歳をした私が、こんな若い子の書いた作品にひいている。
ホクトは小さいもの、特に赤ちゃんで欲情するし、アヤは村野さんが好きだと言いながら他の男性と話をするくらいの感覚で寝るし、村野さんはアヤが「好きです」と何度言っても気にも留めない。
アヤは村野さんに殺して欲しいと強く強く思う。
自分でつけた傷口を広げて欲しかったり、殺して欲しかったり、物凄く「M」なのだ。
こんな風に思うのは私の偏見だけれども、綿矢りさの「蹴りたい背中」の「S」に対抗しているのかと思ってしまったほど。
まぁ、つい最近読んだから余計にそう思っているだけだろうけど。

文学的には良い出来の作品という人も居るけれど、私には理解の出来ない領域でした。

アッシュベイビー
アッシュベイビー
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2004/04/27
  • 売上ランキング: 90899
  • おすすめ度 2.0

★3/10
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2007年04月18日

「蹴りたい背中」綿矢りさ

第130回芥川賞受賞。

「完璧な日本語」と言われた「インストール」の、次に書いた作品。
主人公「初実」はクラスメートのグループに馴染もうとしないので、クラスに溶け込めない。
同じクラスにはもう一人「にな川」という男子が居て、話すようになるが「オリチャン」というにな川がファンのファッション雑誌のモデルの会話だけだった。

初実は自分に全く興味を持たないにな川が理解できない。
理解できない気持ちは、私も共感できる。
そしてそんなにな川にムカつき、背中を蹴りたいと強く思う。
そして蹴ってしまう(笑)
こんなにも強く「蹴りたい」と思うのは、少し常識や正常という部分から離れていて、不安定な心情なのが分かりやすい。
本の題名はこれがピッタリで、他には当てはまらないだろうと思うくらいでした。

蹴りたい背中
蹴りたい背中
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2003/08/26
  • 売上ランキング: 23783
  • おすすめ度 3.0

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2007年04月14日

「さくら」西加奈子

初めての西加奈子。
読み残りあと少しになって「今日中に読んでしまおう」と思った部分から、ボロボロ泣いてしまいました。

「年末、家に帰ります。おとうさん」というスーパーのチラシの裏に書かれた手紙を受け取るところから話が始まる。
僕である薫、見かけも行動も全てヒーローの兄ちゃん一(はじめ)、大雑把な性格だが凄く綺麗な妹のミキ、その二人に遺伝子を送った父さんと母さん、そして犬のサクラ。
一家5人と1匹での、家族の話。

暖かな幸せな家族の話で、読んでいるだけで幸せな気分になる中盤まで、心を洗濯されたように純粋な気持ちになりました。
「しあわせ」や「愛」、そんな言葉がピッタリ。
ある出来事からこの家族は急展開するのだけれど、どこまでも「愛」というのは誰の心にも最優先されていると思う。
語り口の僕は、何事があっても、それがどんなに悲しいことであっても、淡々としている。
唯一最後まで「壊れなかった」一人。
その淡々としている文章だからこそ、悲しい出来事が尚更悲しくなる。

あとがきに「尻尾を振ろうと思います」とあります。
なんてこと無いこと程些細な事でも、自分にとって嬉しい時も悲しい時も、尻尾を振る。
ちぎれんばかりに、ぶんぶんと。
私もそうしよう。
サクラのように。

さくら
さくら
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2005/02
  • 売上ランキング: 64666
  • おすすめ度 3.5

★9/10
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2007年04月08日

「しをんのしおり」三浦しをん

ウェブマガジン(しをんのしおり)で連載中のエッセイ。
連載中と言っても、ここしばらく更新されていません(笑)
まぁ、売れに売れていて書く時間が無くなっちゃったんだろうな。
でも現在375話まであり、バックナンバーは有料でダウンロードも出来ますね。
でも画面上で読むのと本に印刷されている活字を読むのとは、私には結構違いがあって本の方が断然読みやすいです。
だって寝っころがってでも読めるし。
(↑三浦しをんの本を読むと、どうも自分のキャラが素のままになっちゃいます。)

オタクな部分や、一般的に女性らしくないと思われそうな部分を隠そうとしない三浦しをん。
私のツボに物凄くはまります。
ただ、彼女は漫画オタクなので、詳しい話にはあまりついていけないのが悔しい。
出来たら全部について行きたいくらいなんだけど。
彼女自身も書いているけれど、とにかく妄想癖が凄い。
よく寝て、よく食べて、よくしゃべる。
そして、そこが面白い。

しをんのしおり
しをんのしおり
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2005/10
  • 売上ランキング: 6339
  • おすすめ度 5.0

★8/10
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2007年04月07日

「ワイルド・ソウル」垣根涼介

大薮春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞。
史上初の三賞受賞で、これだけ受賞しているのも納得。
途中本を閉じるのに勇気が要るくらい、面白かったです。

1961年、衛藤家はアマゾンへ渡る。
衛藤家のように家族や親戚を巻き込み、お金もかき集め、夢と希望を持って異国の中南米へ向かう人々は4万人以上。
しかし、派遣された大地に楽園はどこにも無かった。
病に襲われ命を落とす人、逃げ出す家族。
無事逃げ出し、成功する日本人は、ほんの一握り。
当時の外務省は捏造した情報を流し、「棄民」とされた移民たちは「ヤクニン」を恨み、この道を選択した自分を恨む。
40年後、外務省を復讐するために3人が日本へやってくる。

ブラジルを初めとする中南米への移民問題は、なんとなくニュースなどで知っていた程度。
知らないとは恐ろしいことです。
当時の日本、そして外務省の信じられないような考え方で、こんなにも過酷な経験をしている人たちがこんなにも居るとは。
前半のブラジル移民のこれでもかこれでもかという悲惨な生活には驚き、胸が苦しかった。
事情を知れば知るほど、外務省への恨みや怒りは当然のように思え、復讐を誓う3人を応援したくなるほど。
復讐の仕方も復讐に対する姿勢は、こんなにも酷いことをされたのに、そんなに礼儀正しくて良いのかと思うほど、登場人物の悪人ぶりとは遠い気がしました。
復讐をしたって、過去は変わらないけれども。

事実に基づいている部分は、色々な事を考えさせられ、フィクションの部分はスピード感一杯で楽しめました。

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★10/10
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2007年04月04日

「シルエット」島本理生

デビュー作で群像新人文学賞優秀作受賞。

17歳でこんな考え方を持っているなんて。
自分の17歳を振り返り、恥ずかしく思ってしまいます。
凄く読みやすく、さらさらと読みすぎてしまい後悔しているくらいです。

わたし、冠くん、はじめ、せっちゃん。
冠くんのお母さんの病気のことが出てきたとき、どこかで似た話を読んだことがあると思ったけれど、思い出せなかったです。
冠くんの事が好きだけど、いろんな問題を受け入れ自分のものにすると、他のものが逃げていく。
途中、はじめの良い人ぶりが、明るくて救われます。
どうしようも出来なかったことでも、結果は結果。
喪失感で切なくなりました。
他人というのは異物だから、絶対に溶けあうことのない部分がある以上、深く受け入れようとすると、どうしても苦しまなければならない。

表題作の他に「植物たちの呼吸」「ヨル」を収録。

シルエット
シルエット
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2001/11
  • 売上ランキング: 278516
  • おすすめ度 3.5

★6/10
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2007年04月01日

「つきのふね」森絵都

野間児童文芸賞。
子供は勿論だけれど、大人が読んで「良い!」と思える本。

主人公「さくら」は万引きをして捕まるが「智さん」に逃がしてもらう。
親友だったはずの「梨利」とは絶縁中で、「勝田くん」と「智さん」宅に入り浸る。
1999年最後の満月の夜、4人で「つきのふね」を待つ。

ノストラダムスの予言を気にしたり、悪いことと知りながら万引きしたり、親友と喧嘩をしたり。
中学生の頃って大人への成長途中だから、こういう考え方や行動をしちゃうんだよな。
揺れ動く心情を分かりやすく書かれている。
「大人」に分類されている智さんだって24歳。
いろんなものをいっぱいに抱えた中学生3人と24歳の男性。
ラストは智さんにやられました。

つきのふね
つきのふね
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2005/11/25
  • 売上ランキング: 60160
  • おすすめ度 4.5

★9/10
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2007年03月29日

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子

デビュー作で文學界新人賞受賞。
『やわらかい生活』という名前に変えて映画化もされる。
やわらかい生活 オフィシャルサイト
はじめて絲山さんの本を読みました。

主人公の優子は、元新聞記者で躁鬱病で、今は絵を描き、貯金で生活している。
優子は独特な感性の持ち主だが、他の登場人物も負けていない。
同級生の区会議員、ヤクザ、いとこ、痴漢、バッハ。
みんなどこか一般ずれしている不思議な人たち。

誰とでもセックスしてしまう主人公で、そんな描写もあるのだけれど、なんだか淡々と会話が進み官能的な雰囲気はほとんど感じられませんでした。
変わった人たちばかり出てくるので共感とか同感とかほとんど無いのに、そこらへんに転がっている日常のような身近な出来事に思えてくるのが不思議です。
表題作のほかに「第七障害」も収録されています。
こちらの方が健全で読みやすく感じますが、インパクトはやっぱり表題作かな。

イッツ・オンリー・トーク
イッツ・オンリー・トーク
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 410
  • 発売日: 2006/05
  • 売上ランキング: 24095
  • おすすめ度 4.5

★7/10
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2007年03月25日

「みどりの月」角田光代

表題作「みどりの月」と「かかとのしたの空」を収録。
両方とも似た様な作品で、一瞬続いているのかと思ってしまいました。

「南」は恋人の「キタザワ」と同棲することになるが、キタザワの家には既に同居人がいて「マリコ」と「サトシ」のカップルが住んでいた。
ありえないと思ってしまう設定がそこには隠されているのだけれど、ネタバレになってしまうか。

「かかとのしたの空」は「私」と「キヨハル」と「女」が出てくる。
既に旅に出ているところから始まり、計画の無い旅を続けている私とキヨハルに女がくっついてくる。
初めは気にしないようにしていても、だんだん鬱陶しくなり撒こうとするが、撒けない。

日常から逃げたいと思うのは、普通誰だって思うことはあると思う。
だけれども、そこで本当に逃げてしまって良いのだろうか。
登場人物の考え方に、あまり共感できなかったのもあり、どうしてそういう方向へ話が進むのかもイマイチ理解できなかった。
後味もスッキリしない…。しゅん。

みどりの月
みどりの月
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2003/05
  • 売上ランキング: 236234
  • おすすめ度 3.5

★5/10
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2007年03月20日

「パイロットフィッシュ」大崎善生

吉川英治文学新人賞受賞。

冒頭部分で私の心は一気に盛り上がってしまいました。
人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない。

昔の恋人から19年ぶりに電話がかかってくる。
アダルト雑誌の編集者をしている山崎は、かつての恋人である由希子からの電話を受ける。
バーのマスター渡辺、編集長の沢井、同僚の五十嵐、風俗嬢の可奈。
記憶の湖の底から浮かび上がる、過去の記憶。

どんな人とでも一度出会った人や出来事があるからこそ、今の自分があるんだ。
記憶は奥底にしまわれているけれど、いつでもあるものなんだ。
「あの時にこうだったから」「あの時あの人に出会ってなければ」「あんな事を言ってしまった」そんなことは今更どうしようもないことだけれども、過ぎてしまった今でも考えてしまうことは私も良くあります。
どんなに嬉しいことでも悲しいことでも、それを受け止め、受け入れ、全部含めて今の自分があるんだと。
とてもせつない話でした。
犬の描写がとても可愛らしいのが、読んでいて救われます。
村上春樹の描写に良く似ているとの評判が多いけれど、特に意識はしませんでした。
でもこんなにすんなり私の中に入ってきたのは、その影響もあるのかな。

パイロットフィッシュ
パイロットフィッシュ
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2004/03/25
  • 売上ランキング: 106979
  • おすすめ度 4.0

★9/10
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2007年03月18日

「噂」荻原浩

「噂」はあなどれない。
実際の話、「恋が成就する」と評判の香水が数年前に流行ったのを思い出しました。
女性ファッション雑誌やワイドショーで取り上げられ、私も欲しいと思ったくらいでした(笑)
この香水が噂されるよりも数年前に、この本は書かれています。

「レインマンに襲われて、女の子の足首を切っちゃうんだって。でもミリエルをつけていれば狙われないんだって」。
新発売の香水を流行らせる為に流した「噂」が都市伝説化し、香水は大流行するが、事件が現実に起こってしまう。

読みやすくてスラスラと読めました。
主人公の小暮と、名島のコンビがなかなか良いです。
「衝撃のラスト一行に瞠目!」とありますが、たしかに。
レインマンは誰か、という本題からずれたところに驚きがありました。
…でも意味を考えると、ちょっとイヤな一行だったかな。
どうやら色んな場所に沢山の伏線がはってあったのですが、気が付きませんでした。

噂
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2006/02
  • 売上ランキング: 22556
  • おすすめ度 4.0

★8/10
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2007年03月15日

「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」江國香織

「恋愛運動小説」なんだそうです。
9人の女性の恋。

女性が9人ということは、男性もそれに近い人数がいるわけで、登場人物が大勢います。
しかも、徐々に増えていくのではなく、ほとんどは序盤から登場します。
シーンの移り方があっという間で、気がついたら違う人の話になっていたりと混乱し、読み進めていくうちに誰が誰だか頭の中で整理が出来なくなり、登場人物をメモしながら読みました。
しかも、苗字と名前が別々で出たりもするから、メモをとって大正解。
最終的に私のメモは17人になっていました。
色んな女性が出てくるとともに、色んな恋愛が出てきます。
読む人の性格などから、登場人物の中の誰かを知らず知らずと応援していることでしょう。

結婚はゴールではないし、幸せの中にも孤独はある。
それでも前を見て歩くしかないんだ。

私はモデルの衿と土屋の恋と、陶子と慎一の恋が気になりました。
(両方とも不倫でしたが 汗)
この本の評価は二手に分かれているみたいですね。
凄く良いという人と、全然ダメという人と。
私はそれにも当てはまらない真ん中くらいかな。
登場人物の人間関係を整理するのに手間取ったのが評価に関係するかも。
みんな、いちばん愛したひととは違う相手と一緒にいるみたい

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2000/04
  • 売上ランキング: 336168
  • おすすめ度 4.0

★7/10
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2007年03月12日

「チーム・バチスタの栄光」海堂尊

第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。
さすが「このミス」受賞だけあって面白かったです。

チーム・バチスタとは拡張型心筋症に対する手術で、40%の成功率と言われる難易度の高い手術を100%でこなしていた大学病院での手術チーム。
ところが3例続けて術中死が発生し、内部調査をすることになる。
神経内科の講師で不定愁訴外来の田口と、厚生労働省の変人役人の白鳥が、その役目になる。
医療過誤か、殺人か。

手術を行う桐生、病院長の高階、その他登場人物も個性的。
人数も多いけれど、キャラクターが確立しているし、上手く分かれていて全然混乱しませんでした。
特に白鳥が登場してからは、主人公の田口も負けそうなくらい圧倒的な存在感。
話の進め方も、文章も、凄く読みやすい。
かなりハイスピードで読み進めてしまいました。
続編が気になります。あぁ読みたい。

チーム・バチスタの栄光 OFFICIAL WEB SITE

チーム・バチスタの栄光
チーム・バチスタの栄光
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/01
  • 売上ランキング: 2711
  • おすすめ度 4.0

★9/10
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2007年03月09日

「吉田電車」吉田戦車

吉田戦車と聞けば、「伝染るんです」ですね。
あぁ懐かしい。
高校生の頃、あのシュールな絵にかなりはまりました。

吉田さんが、電車で旅をし、麺類を食べるエッセイ。
ちょっとそこまで、という近場から、伊勢神宮や函館まで。
結構いい加減な進み方で、そんな気の抜け方は昔のまま。
友人達との付き合い方も気が抜けてて良い感じです。
挿絵がいくつかあり、久しぶりにあのシュールな絵に出合いました。

吉田電車
吉田電車
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2007/01/12
  • 売上ランキング: 30328
  • おすすめ度 5.0

★6/10
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2007年03月07日

「日本以外全部沈没―パニック短篇集」筒井康隆

映画化もされています(笑)
日本以外全部沈没

思いっきり小松左京「日本沈没」のパロディ。
状況も分かりやすく、日本以外は全部沈没しているのだ。
そこで世界中の人々が日本へ上陸したがっているが、狭い日本へは限られた人しか入国できない。
あるバーでの場面なのだが、世界の有名人が時代を関係なく登場する。
ガンジー、ニクソン、ビートルズ、オードリイ・ヘップバーン、金日成、リヒテル、カポーティ、等々。
偉人達がたった一度の羅列だけに登場しているのが小気味良いし、全員の登場人物紹介もある。

ただ、この表題作は非常に短い短編であっという間に終わってしまいました。
映画化にもされて、これだけのオールスターが登場し、あれ?終わり?という感じ。
他の短編もブラックユーモアたっぷりでした。
革命的赤軍派にハイジャックされて喜ぶ「日本列島七曲」や、見栄っ張りの農協の仲間で月への宇宙旅行へ行く「農協月へ行く」が面白かったです。

日本以外全部沈没―パニック短篇集
日本以外全部沈没―パニック短篇集
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2006/06
  • 売上ランキング: 9880
  • おすすめ度 4.0

★6/10
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2007年03月02日

「日曜日の夕刊」重松清

「サンデー毎日」連載の短編小説を12編収録。

あっという間に読んでしまいました。
こんな短い文章なのに、全部ちゃんとほんわかさせてくれる。
1編目の「チマ男とガサ子」はいつもの家族の話ではなく恋愛を取り上げている。
重松清が恋愛モノ!?と思ってしまいました。
(私が知らないだけで、重松清の恋愛モノは他にもあるそうです。あぁ、読まなければ!)
どの話も、どこにでもありそうな日常の、誰でも持っていそうな人間臭い悩みを書いていて、それに悩まされながらも明日へ向かうチカラが伝わってきます。

目次
チマ男とガサ子 / カーネーション / 桜桃忌の恋人 / サマーキャンプへようこそ
セプテンバー’81 / 寂しさ霜降り / さかあがりの神様 / すし、食いねェ
サンタにお願い / 後藤を待ちながら / 柑橘系パパ / 卒業ホームラン

日曜日の夕刊
日曜日の夕刊
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2002/06
  • 売上ランキング: 24011
  • おすすめ度 4.5

★8/10
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2007年02月28日

「永遠の出口」森絵都

第一回本屋大賞第四位作品。

主人公「紀子」の10歳から18歳まで。
今思えば分かることも、あの頃には分からなかった。
ある日を境に、あの頃にとっては大切な事が大きく変化をする。

どうしてこんなに気持ちが分かるのだろう。
子供の頃にどんな風に感じていたかなんて、私はすっかり忘れてしまっている。
森さんの本を読むと、それを思い出し、痛いほど分かる。

お誕生日のプレゼント、サンリオの文房具、いじわるな言い方、思っていることを言葉に出せない切なさ、親への反抗、ちょっとした冒険、等々。
「そうそう、こういう事あったなー」と何度も自分の過去へ振り返りつつ、ページをめくる手を止められませんでした。
「永遠」という、ありえない「出口」へ向かって、進むしかないのだ。
未来はどんな未来だってありえるのだから。

永遠の出口
永遠の出口
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2006/02/17
  • 売上ランキング: 36503
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2007年02月25日

「紙婚式」山本文緒

結婚する前に読むと、結婚するのは正しいことなのかと心配してしまうような、
結婚した後に読むと、結婚して本当に良かったのかと心配してしまうような、
そんな内容の短編集。

色んな夫婦の形があるにせよ、こんな結婚は怖い。
怖いというのは背筋がすぅっと冷たくなるような怖さ。
他人同士が一つの家庭を作るのだから、問題が全く何も無い結婚生活なんて、そうそう無いとは思う。
だけど。それにしても…。

「秋茄子」は唯一、先が少しだけ明るい話でほんわかできました。
表題作「紙婚式」は、今の多様化している結婚という形を代表しているかのようで、悲しく、興味深い作品。

目次
土下座 / 子宝 / おしどり / 貞淑
ますお / バツイチ / 秋茄子 / 紙婚式

紙婚式
紙婚式
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 560
  • 発売日: 2001/02
  • 売上ランキング: 105502
  • おすすめ度 4.5

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2007年02月22日

「卒業」重松清

「卒業」をテーマにした四編。
重松自身は「ゆるす・ゆるされる」の構図もあるという。
「まゆみのマーチ」は「流星ワゴン」と対の作品。
「追伸」は「その日のまえに」に繋がるという。

四編とも「死」を扱っているので、昨年二人の身内を亡くしたばかりの私には、読んでいて辛い話でした。
「まゆみのマーチ」と「追伸」は特に、電車の中では読めませんでした。
目頭が熱くなり、呼吸が苦しくなり、慌てて本を閉じたほどです。

「まゆみのマーチ」
危篤の母を見取る為に帰郷する。
子供の頃、社会とうまく交われなかった妹のまゆみへ。
母が歌ってくれた応援歌「まゆみのマーチ」。

「あおげば尊し」
生涯教師の父は余命わずか。
「生死」を面白がっているように思える自分の生徒へ、父からの最後の授業。

「卒業」
自殺してしまった親友の娘とその家族との出会い。

「追伸」
病死した生みの母と、そりの合わない育ての母。
生みの母が残したノートを胸に抱きながら大人になって思うこと。

卒業
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  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2006/11
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2007年02月19日

「白い薔薇の淵まで」中山可穂

第14回山本周五郎賞受賞。
発表時に話題を呼んだ受賞記念エッセイ「花だけはくれるな」も特別収録、です。

初めての中山可穂です。
受賞記念エッセイと、文庫版あとがきを読んで納得しましたが、何も知識無く読み始めたのでちょっとビックリしてしまいました。
同性愛での恋愛小説であり、官能小説でもありました。

新人女性作家の「塁」と「わたし」は書店で出会い、恋に落ちる。
性格では合わない二人だけれど、破滅的な性愛に溺れ、別れられない。
極限まで愛するということは。究極の愛とは。

圧倒的な迫力の愛し合うシーンと愛しすぎて切ない気持ちで、読み終わってしばらくはこの世界から抜け出せませんでした。
二人の喧嘩は激しく流血までしているのに、何度別れても離れられない二人。
二人とも男性との付き合いも出来るのに、結婚しても、帰る当ての無い旅に出ても、離れられない。
同性愛というのは途中から全く気にならなくなりました。
これほどの純愛、これほどの快楽。
最後まで読んで、もう一度冒頭を読むと、ほんの少しだけ救われました。

白い薔薇の淵まで
白い薔薇の淵まで
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2003/10
  • 売上ランキング: 153799
  • おすすめ度 4.0

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