2007年02月16日

「なかよし小鳩組」荻原浩

こりゃ題名から想像できない楽しい本でした。
零細広告代理店の杉山は、ひょんな事からヤクザからの仕事をしなければならなくなる。
「そんなはずは…」という方向へ物事は進み、窮地に追い込まれる。
ヤクザは小鳩組。

くすくす笑ってしまうけれど、ほんのりジーンとくる。
ヤクザが相手ですくんでしまうシーンでも、必死に頑張る姿が可笑しい。
アイデアを練りに練っても即却下されたり、組長の家でプレゼンしたり、マラソンまでしたり。
杉山の子供、早苗が可愛い。
可愛らしい言葉なんて一つも出てこないのに、可愛い。
もっちロンドン・パリ! プルップ〜

なかよし小鳩組
なかよし小鳩組
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 700
  • 発売日: 2003/03
  • 売上ランキング: 9191
  • おすすめ度 4.0

★8/10
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2007年02月14日

「マルドゥック・スクランブル」沖方丁

第24回日本SF大賞受賞。
アニメ化まで話が進んだが、途中で製作中止。

SFは読むのに体力がいるのでなかなか手を出せませんが、これは本好きの方たちにも話題だったので、ずっと気になっていた本です。
文章は翻訳調で韻をふんでいたりしますが、これも味のうち。
全3巻、「圧縮」「燃焼」「排気」と長い話ですが、一気に読了。

少女娼婦で殺されかけたルーン=バロットとネズミ姿の頭脳ロボット、ウフコックの話。
近未来の話で重力素子式エアカーやら電子眼鏡などが冒頭から登場。
バロットやウフコックを治療(修理)するドクターを加えた3人と、バロットを殺そうとしたシェルとボイルドの戦い。
ウフコックがバロットを守る為に変身(ターン)したり、バロットがモノに操作(スナーク)したり干渉して会話したりする。

カジノシーンが半分くらいを占めていますが、ここが面白いです。
途中で止められなくなり一気に読んでしまうほど、息もつけません。
驚いたのが、この話は「レオン/完全版」を観た後に書き始めたということ。
マトリックス放映よりも全然前なのに、こんな話を書いていたとは。

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮  マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼  マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気
★10/10
感想
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2007年02月11日

「しゃべれどもしゃべれども」佐藤多佳子

1997年、本の雑誌が選ぶ年間ベストテン第一位。
映画化もされて今年5月公開予定。
主人公の今昔亭三つ葉には、TOKIOの国分太一が演じる。

三度のメシより落語が好きで、噺家になった前座よりちょい上の二ツ目、今昔亭三つ葉こと外山達也。
テニスコーチで対人恐怖症の従弟の綾丸良、美女であがり症の十河五月、小学校でいじめにあう村林優、解説の仕事が下手な元野球選手の湯河原太一。
4人は話すのが苦手で、それを克服する為に三つ葉に落語を習いに通う。
とりあえず「まんじゅうこわい」を教えていく。

面白かったです!
落語は興味はあるもののまだ面白さが分かっていませんでしたが、コレを読んでからは見方が変わりました。
一度聞きに行ったら、はまりそうだな。
三つ葉の性格が、古風で好ましい。
おせっかいで一生懸命で、落語の厳しい世界の中で頑張っている姿が印象的。

自信とは、一体何なんだろうな。(中略)
自分で自分を「良し」と納得することかもしれない。

映画『しゃべれどもしゃべれども』公式サイト

しゃべれどもしゃべれども
しゃべれどもしゃべれども
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2000/05
  • 売上ランキング: 10447
  • おすすめ度 4.5

★9/10
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2007年02月09日

「家守綺譚」梨木香歩

2005年本屋大賞ノミネート作品。

「それはついこのあいだ、ほんの百年すこしまえの物語」
明治三十年代後半頃だというお話。
主人公は親友の実家を守ることになった。
家の庭は四季折々の自然を楽しむことが出来る。

これはじっくり読み味わう本。
すらすらと読んでしまうのは勿体無いです。
日本の美しさを思い出させてくれて、その季節に思いを馳せると、なんとも心が落ち着く。
「家守」をしながら、物書きをしている主人公の綿貫、親友の高堂、隣のおかみさん、和尚、後輩の山内、犬のゴローなど、登場人物も良い。
異空間の不思議な出来事なども、自然と受け入れる。
子鬼が出て来た時は、少し前に読んだ「しゃばけ」シリーズ(畠中恵)を思い出しましたが、全然違う切り口。
これで380円はお得感いっぱい。
何度も読み返して味わいたい本。

家守綺譚
家守綺譚
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 380
  • 発売日: 2006/09
  • 売上ランキング: 1957
  • おすすめ度 4.5

★9/10
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2007年02月06日

「あしたはうんと遠くへいこう」角田光代

角田光代の初めての恋愛小説。
田舎の温泉町から東京に出てきて、さまざまな恋愛を経験する。
幸せになりたいと思いながらも、思うように幸せになれない。
失敗を繰り返しながら、「あした」を夢見る。

なんでこんなに失敗ばかりしてしまうのかと、読んでいて気の毒になってしまう。
恋愛は人それぞれだし、そう思ってしまうのは私の恋愛経験がここまで波乱万丈じゃないからかもしれないけれど。
恋愛に迷ったときに、とんでもない行動を簡単に起こしてしまう。
アイルランドを自転車で一周したり、ニュー・エイジにはまったり。
洋楽にのせて恋愛していく。

あの時あの人と出会っていなかったら、今の自分は変わっているのだろうか。
これは誰しも考えることがあるような気がする。
人との出会いで運命は変わっていくし、運命が変わる為には一日もあれば十分なのだ。

「たすけて」と独り言をつぶやく気持ち、分かるなぁ。
何かに押しつぶされそうなとき、誰かに何かを求めてしまう。
だからこそ、「強くなりたい」と思うんだろう。

あしたはうんと遠くへいこう
あしたはうんと遠くへいこう
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2005/02
  • 売上ランキング: 109007
  • おすすめ度 3.5

★7/10
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2007年02月03日

「放課後の音符(キイノート)」山田詠美

恋ってやっぱり素敵なもの。
たとえそれがどんな恋でも。
私が高校生の頃、こんなに沢山の素敵な恋は…あったっけ…。
大人でもなく子供でもない、あの頃の想いを思い出しながら読みました。
1989年の話なのに、今読んでも色褪せていない。
山田詠美さんの文章は、色んな事を経験しているからこういう文章を書くんだろうなといつも思う。

放課後ってどうしてたっけ。
時間、お金、感情の無駄遣い、もっと沢山しても良かったのかな。
素敵な大人になる為に。

放課後の音符(キイノート)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 380
  • 発売日: 1995/03
  • 売上ランキング: 27925
  • おすすめ度 5.0

★6/10
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2007年01月31日

「ねこのばば」畠中恵

しゃばけシリーズ第三弾。
もうすっかり若だんなの虜です。

今回もいつものメンバーに様々な事件が起きて、若だんなが痛快に推理していく。
ただ、いつも良い子過ぎる若だんなが、今回はグレるのだ!

この時代には「今の時代の色々な余計なもの」が無いので、それだけ素直に気持ちを感じられます。
ハラハラしたり、ほのぼのしたり、気がつくとこの世界にどっぷり入り込んでしまう。
登場人物は相変わらずだし、妖怪達も可愛い。
次はどんなことになるのやら。

目次
茶巾たまご
花かんざし
ねこのばば
産土
たまやたまや

ねこのばば
ねこのばば
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2006/11
  • 売上ランキング: 575
  • おすすめ度 4.0

★8/10
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2007年01月26日

「ぬしさまへ」畠中恵

しゃばけシリーズ第二弾。
今回は6編の短編でした。

相変わらず身体の弱い江戸の大店の若だんな一太郎と、二人の手代の仁吉と佐助、一太郎の部屋に集まってくる妖たち。
第二弾だけあって登場人物にも愛着が沸くし、キャラクターもしっかり読み取れます。
腹違いの兄の松之助や、一太郎の親友の栄吉も、話の中心人物として活躍。
「しゃばけ」の続きだけれど、初めて読むとしても大丈夫なように書かれています。
「仁吉の思い人」が良かったな。

目次
ぬしさまへ
栄吉の菓子
空のビロード
四布の布団
仁吉の思い人
虹を見し事

ぬしさまへ
ぬしさまへ
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2005/11/26
  • 売上ランキング: 218
  • おすすめ度 4.5

★8/10
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2007年01月23日

「おめでとう」川上弘美

12の恋の話。
始まりの予感だったり、最中だったり、終わりの予感だったり、終わった後だったり。
いずれも10〜20ページくらいの短編。

こういう文章を書ける才能は、そんなに沢山の人は持ち合わせていないと思う。
独特な言い回し。
文章を、日本語を、一文字一文字を、すごく大事に扱っていると思う。
表現の仕方が、読めば読むほど味わいが出てくる。

食べ物の描写が頻繁に出てくる。
どれもすごく短い描写なのに、どれもがとても美味しそう。
食べ物が美味しそうに書ける作家は、好きです。
「性交」も川上弘美にかかると、いやらしい感じが全くしない。
日常生活の一コマとして、恋愛のワンシーンとして、書かれている。
キレイ過ぎでもなく、いやらしくもなく。

目次
いまだ覚めず / どうにもこうにも / 春の虫 / 夜の子供 / 天上大風
冬一日 / ぽたん / 川 / 冷たいのがすき / ばか / 運命の恋人 / おめでとう

おめでとう
おめでとう
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 420
  • 発売日: 2003/06
  • 売上ランキング: 117167
  • おすすめ度 4.5

★8/10
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2007年01月19日

「重力ピエロ」伊坂幸太郎

私にとって初めての伊坂幸太郎です。
話題の作家というのも納得。

半分しか血の繋がっていない私「泉水」と弟の「春」。
遺伝子技術を扱う私の会社が放火され、街中の落書きを消す仕事をしている春が、放火現場の近くにはグラフィックアートがあることに気がつく。
放火事件の謎解きを、癌に冒された父と息子二人で相談していく。

放火魔やレイプや末期癌と、重い話題でも、そう感じさせない。
話が細かく分けれているし、遺伝子の難しい話も読みやすいし、登場人物もみんな好ましい。
父親と私のやり取りが、なんとも言えず面白かったです。

サーカスのピエロ。
泣き笑いの表情をした無邪気なピエロには重力なんて関係ない。
…きっと。
重力ピエロ
重力ピエロ
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2006/06
  • 売上ランキング: 4121
  • おすすめ度 4.0

★9/10
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2007年01月14日

「格闘する者に○」三浦しをん

三浦しをんデビュー作。

就職活動に専念しなければならない可南子。
希望は漫画雑誌の編集者。
周りがなかなか本気に就活しない環境にいるけれど、志はちゃんと持っている。
歴史のある血筋、家、親の職業。
そんな中で生まれ育ってきても、全然染まらずに成長したところに好感が持てる。

やっぱり三浦しをんなだけあって、面白い。
しかし大手出版社の名前が多少もじっているだけでそのまま出てくる。
建物の外観や内部、就職試験もそのままなのだろうか。
登場人物のキャラクターは、かなり濃い人ばかり。
友人の砂子と二木君、義母さん、弟、恋人でもあるおじいさんの西園寺さん、アルバイト先のマスター、お父さんにお父さんの秘書の谷沢。
こんな人いるのか?と思いながら読んでいると、すっかり頭の中でキャラが出来上がってしまいます。
冒頭に出てくる可南子の作文、これもまた、良いです。

格闘する者に○
格闘する者に○
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2005/03
  • 売上ランキング: 5863
  • おすすめ度 4.0

本★7/10
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2007年01月09日

「しゃばけ」畠中恵

第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。

江戸の大店の若だんな一太郎は生まれつきの病弱で、すぐに寝込んでしまう。
そんな一太郎を守るべく、手代二人を筆頭に沢山の妖怪に守られながら、偶然遭遇してしまった殺人事件の下手人を探していく。

こういうの、読まず嫌いでした。
時代小説モノは「剣客商売」(ほぼ全巻だけど…)くらいしか読んでいないし(笑)
でも、面白いっ!
苦手意識を持った私でもすんなりと入り込める世界観で、文章も読みやすいです。

登場人物にこんなにも愛着が沸くのも不思議。
一太郎があまりにも病弱で頼りない感じだけれど、考え方はしっかりしているし、頭も良い。
手代の二人がしっかりサポートしているし、他の妖怪たちも可愛らしい。

これはやみつきになりそう。
「ぬしさまへ」「ねこのばば」「おまけのこ」「うそうそ」「みぃつけた」と出ている続編も読むしかないな。

しゃばけ
しゃばけ
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2004/03
  • 売上ランキング: 4930
  • おすすめ度 4.0

本★9/10
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2007年01月06日

「PAY DAY!!!」山田詠美

高校生の双子の兄妹ハーモニーとロビンの話。
離婚した両親と共に別れて住む事になった双子は、「9.11」がきっかけで再び一緒に住む事になる。
「9.11」は双子だけじゃなくて、家族を以前よりも結び付けた。

同時多発テロ事件の被害者、恋の悩み、進学の悩み、家族の悩み、重いテーマの中でも少し幸せな事がある。
ペイ・デイ。
だって今日はお給料日なんだから!!!

「9.11」のニュースを見た日は忘れられない。
テレビの前で動けなくなった。
自分がどの場所でどんな格好で、あのニュースを見たのかまでも覚えている。
でも、海の向こう側で起きたこと。
どんなに胸を痛めても、昔ワールド・トレードセンターに行った事があっても、ニュースを何度も見ても、実際に体験した人や被害者の家族の気持ちの全てを理解することは不可能なんだろう。
実際に体験した人と体験していない被害者の家族でも十分には分からないのに。
白人と黒人の事や、大人と子供の考え方の違いなど、盛り沢山。
それでも…ペイ・デイには少し幸せになれる!!!
PAY DAY!!!
PAY DAY!!!
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2005/07
  • 売上ランキング: 48499
  • おすすめ度 3.5

本★8/10
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2006年12月30日

「となり町戦争」三崎亜記

第17回小説すばる新人賞受賞。

話の内容は題名そのまま。
ただ住んでいるだけで別に愛着のあるわけでも無い町。
となり町との戦争のお知らせが届いたが、全く実感が無いし、誰かが戦争をしている様子も見えない。
でも、確実に戦争は始まっているし、被害も出ている。

凄くシュールな雰囲気です。
実際に戦争を体験していないので分かったようには書けませんが、戦争が起こるときってこんな感じなのかもしれません。
政府で決められたことを知らされて、知らないうちに巻き込まれている。
知らないうちに生活に入り込み、知らないうちに参加し、手を貸している。
精神的にも自分の意思とは違う何かに攻撃されて、「普通」「常識」が変化してくる。

こんな風に戦争をテーマに書いている本は初めて読みました。
ただ「戦争」というイメージはそのまま受け取ってはいけないけれど。

となり町戦争
となり町戦争
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2004/12
  • 売上ランキング: 37633
  • おすすめ度 3.0

本★8/10
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2006年12月28日

「野ブタ。をプロデュース」白岩玄

第41回文藝賞受賞、第132回芥川賞候補にもなる。

ドラマ化していたけれど、見ていません。
でも原作とだいぶ違う話になっているみたいです。

学年でも人気者でみんなの中心人物の修二と、嫌われ者の典型のような外見をした転校生の信太。
予想通り、いじめに遭い始める信太は、修二に人気者になるべくプロデュースしてもらう。

人生を上手くやり過ごすことに長けた修二の考え方にも驚きました。
薄っぺらい人との付き合い方。
そして今、問題になっている「いじめ」は、やっぱりこんな風に始まり、こんな風に終わるんだろうか。
何がきっかけでどう転ぶのか。
たったひとつの出来事だけで、180度変わってしまう。

初めて読む表現の仕方が沢山ありました。
分かりやすいと言えば分かりやすい表現だけど、度肝を抜かれるような描写。
読みやすい文章で話の展開もスピード感があっていい。
でも最後は、なんというか…複雑。
こんな風に淡々と書かれていることが、修二らしいのかな。

野ブタ。をプロデュース
野ブタ。をプロデュース
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2004/11/20
  • 売上ランキング: 29448
  • おすすめ度 3.5

本★7/10

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2006年12月16日

「小さき者へ」重松清

「家族」「父親」を問う6編。
重松作品は重いし、読み終えての答えが出てこないし解決しない。
子供の気持ちを分かったふりをするのは良くない、だけどどうすればいいの?という感じ。
だけど、なぜか読んでしまう。
今回この事は「文庫版のためのあとがき」で重松自身が書いてあったので、「あ、やっぱりな」と思ってしまいました。

後悔しない人生なんて、どこにもないんだ。なにをやっても、ぜったいに後悔は湧いてくるんだ。
この文章、凄く胸に響きました。
あぁ、後悔は、して当たり前なんだ。
したくないからしないようにしても、してしまうのが人生なんだ。
少年時代の僕が思い浮かべる「もしも」は、ほとんどすべてが未来の話だった。(中略)いまは違う。未来に「もしも」の入り込む隙間はどんどん小さくなってしまい、代わりに過去を振り返ると「もしも」の分かれ道が無数にある。
まったく…その通りだ。
いつから「もしも」を過去への言葉にしてしまったんだろう。

傷つかない為に回避しようとしたり、傷ついてしまってどうにもならなくなったり、相手を思いやっているつもりでも上手くいかなかったり…
人の心は難しい。
なんとかして前向きに進もうと、ほんの少しの光が探せたら…

目次
海まで
フィッチのイッチ
小さき者へ
団旗はためくもとに
青あざのトナカイ
三月行進曲
小さき者へ
小さき者へ
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2006/06
  • 売上ランキング: 5112
  • おすすめ度 5.0


本★9/10
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2006年12月11日

「人生ベストテン」角田光代

普通にありがちな状況の中で、あるひとコマに触れる。
出会いとは呼べないような「出会い」で知り合った人に、胸の内を明かす。
補修工事で部屋に上がりこんだ人、飛行機で隣り合った人、同窓会で人違いだった人。
そんな人たちに、普段胸にしまっているような不満や不安をさらけ出すのは、一体どんな気分なんだろう。
さらけ出された方も、そんな事を打ち明けられて、どんな気分になるのか。
でも、そんな人だからこそ、本当に思っていることを吐き出せるのかもしれない。

表題作の「人生ベストテン」が一番面白かったかな。
私の今までの「人生イベントベストテン」は何だろう。
読み終わると、ちょっぴり元気になります。

目次

床下の日常
観光旅行
飛行機と水族館
テラスでお茶を
人生ベストテン
貸し出しデート

人生ベストテン
人生ベストテン
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2005/03/02
  • 売上ランキング: 217875
  • おすすめ度 3.5


本★7/10
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2006年12月09日

「ウェルカム・ホーム!」鷺沢萠

Mixiでお勧めされていたので、読んでみました。
データベースにも「サギサワの最高傑作」とあります。

「おかえりなさい」とは、なんて温かい言葉なんだろう。

何をもって「家族」とするのか。
血のつながりだけが「家族」じゃない、それよりも気持ちがつながっている「家族」。
本当の意味の家族とは。

お父さんが二人と子供一人。
離婚した夫の前妻の子供。

相手を思いやって、必要とする、それこそが家族なんだと教えてくれる。
二つの「家族」が書かれているが、どちらも良い。とにかく良い。
心があったかくなりました。
こういうの、好きです。

解説は三浦しをん!

渡辺毅のウェルカム・ホーム
児島律子のウェルカム・ホーム

ウェルカム・ホーム!
ウェルカム・ホーム!
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 420
  • 発売日: 2006/08
  • 売上ランキング: 24777
  • おすすめ度 4.5


本★8/10
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2006年12月01日

「溺レる」川上弘美

女流文学賞、伊藤整賞受賞。
全て恋愛の短篇集。

全ての作品の登場人物全員がカタカナの名前だったり、考え方や言葉遣いが古風だったり、とにかく雰囲気がある作品たち。
内容を要約してしまうと普通の話になってしまいそうだけど、川上弘美の文章になると全然変ってくる。
ひとつの行動や感じた事や、表現の仕方が凄いと思う。
ほの暗く、淡々とおだやかに過ぎる時間の中で過ごす、男と女。
こんな大人の関係も素敵。

目次
 さやさや
 溺レる
 亀が鳴く
 可哀相
 七面鳥が
 百年
 神虫
 無明

溺レる
溺レる
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 420
  • 発売日: 2002/09
  • 売上ランキング: 82286
  • おすすめ度 4.0


本★8/10
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2006年11月28日

「パレード」吉田修一

第15回山本周五郎賞受賞。

東京・千歳烏山の2LDKマンションに同居する男女5人の若者の話。
家族でもなく恋人でもない、上辺だけの付き合い。
5人をそれぞれ主役にした5章に書かれている。

なんというか・・・。
今時の若者の生活がストレートに書かれていて、途中までは普通に読み進められる。
こんな生活も面白そうだと思うくらい。

解説で川上弘美が「怖い」と書いている。
まず1度目に読んだ時は最終章が怖かったそうだ。
これは私も同感。
この怖さは、何度も読むにつれて変わってくるのだそう。
私もこの怖さを味わう為に、あと数回読もうと思った。
川上弘美がいう、行間からにじみ出る怖さを味わいたい。
亀はこつこつとがんばったからウサギに勝てたわけじゃない。
こつこつとがんばる姿を、ウサギに見せなかったから勝てたのだ。

パレード
パレード
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 560
  • 発売日: 2004/04
  • 売上ランキング: 58611
  • おすすめ度 4.5


本★9/10
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